正月に3世代9人集まり家族写真、撮り続けて20年 孫が成人に
帯広市の谷内田繁利さん(85)宅で、毎年正月に撮り続けてきた3世代9人の家族写真が元日に20年の節目を迎えた。2005年に始めた集合写真計20枚には、家族の思い出の数々と孫たちの成長の軌跡が詰まっている。(藤家秀一)
24年の幕開けとなる元日も、谷内田さんと妻の邦代さん(82)が暮らす自宅に、いつもの家族9人が集まった。市内に住む長女の久保ひろみさん(57)一家4人と音更町の長男和彦さん(55)一家3人で、ひろみさんの夫の健司さん(56)と長男亮太さん(29)、次男裕太さん(27)、和彦さんの妻の馨さん(51)と長女のくるみさん(19)=滋賀県=が顔をそろえた。
きっかけは初の女孫
繁利さんによると、家族写真を始めたきっかけは初の女孫のくるみさんが生まれたことだったという。以来、1年も途切れることなく続き、1階の和室で床の間を背にしたアングルも毎年の約束事だ。
20年目の記念写真が撮られたのは、この日の午前11時ごろ。今年も無事に9人がフレームに納まった。メンバー最年少のくるみさんは身長170センチを超え、ひときわ目立っていた。
繁利さん宅では、毎年の写真は写真立てに入れられ、台所の一角にある食器棚の上に年を追って並べてある。縦40センチ、横1・6メートルの食器棚の天板はすでに手狭になっており、20枚目が並ぶと満杯になりそうだ。
大学2年生で今年成人式を迎えるくるみさんにとっては、家族写真の歴史と自分の成長の過程がそっくり重なっている。くるみさんは「写真を通して自分の成長が実感できる。年に一度、みんなでこうして集まれるのがうれしい」と話した。
元日の谷内田家では、写真撮影の後は9人でわいわいとしゃぶしゃぶ鍋を囲むのが定番だという。20枚目を撮り終えた繁利さんは、「みんな病気やけがなくやってきたから続けられた。一区切りかなと思っている」と感慨深げ。邦代さんも「ずいぶん年とったなと実感するけど、みんなが近くにいるから毎年集まれる」とうれしそうだった。