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音更高校の重堂校長 北海道フルマラソン6回目完走 並走の同窓や仲間に感謝のラン

フィニッシャーに贈られた金メダルとタオル、レースで着用した帽子、Tシャツ、ランニングパンツを紹介する重堂校長

 【音更】音更高校の重堂法人校長(55)が8月27日に札幌市内で開催された北海道マラソン2023(同組織委員会主催)に出場し、6回目の完走を果たした。猛暑と1時間に70ミリの激しい雨という過酷な条件下もあって、目標タイムの3時間台には届かなかったが、仲間たちとの友情や諦めない気持ちなど得がたい経験をした。重堂校長は「応援してくれた皆に感謝している」と話している。(内形勝也)

 出場ランナーは、招待やゲスト、市民ランナーなど約1万8000人。札幌管区気象台などによると、この日午前8時半に号砲が鳴った直後の気温は28・5度で、午前10時には30度を超えた。また、午後2時ごろからは1時間に70ミリの大雨に見舞われた。

 重堂校長は走り始めて5キロほどの地点で「息苦しさや発汗など、今までのレースとは違う」と異変を感じた。いつもはレース開始からしばらくは給水しない重堂校長だが、この日は10キロ地点に設けられた給水ポイントで水をがぶ飲み。だが、「給水後も走る気力が全く湧いてこなかった」。

 スタート直後から次々とリタイアするランナーを目にして、気持ちが折れ掛かっていた重堂校長を救ったのが、帯広柏葉高同窓生で、帯広市の自営業溝口善昭さん(57)。胸元に「帯広柏葉 TEAM HAKUYO」、背中に「HAKUYO オベリベリ魂」と白文字でプリントしてある、緑色を基調とした同じTシャツを着ていた溝口さんに「一緒に走ろう」と声を掛けられた。

 溝口さんとは10キロすぎからゴールまで並走。重堂校長は「一緒に走ったことで気力が徐々に戻った」。溝口さんも「自分も苦しかった。重堂校長と一緒に走ったことで助かった」と話した。

 20キロ付近では、ゲストランナーで北海道マラソン過去3回の優勝経験を誇るアトランタ五輪(1996年)銅、シドニー五輪(2000年)銀メダリストのケニア出身のエリック・ワイナイナ選手(49)に出会った。二人は「エリック」と声を掛け、数百メートル一緒に走り別れ際にグータッチを交わした。ゴール目前で視界を遮るような雨に見舞われたが、帯広柏葉高同窓生ら20人以上の沿道からの声援や、一般市民の応援する姿に気持ちが奮い立った。

 重堂校長のフィニッシュタイムは4時間51分2秒。19年以来通算6回目の出場だった重堂校長にとって、記録自体は決して喜べるものではなかった。だが「並走してくれた溝口さん、同窓生、沿道から声援を送ってくれた方々に感謝している」と完走を喜んだ。

 フィニッシャーに贈られる金メダル、タオルを手にした重堂校長。この大会で得た友情や自信を胸に、10月1日に根室管内別海町で開催予定のフルマラソン「別海町パイロットマラソン」で、3時間台のフィニッシュタイム達成に挑む予定だ。

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