農産物「輸出」に可能性 菅前首相、帯広や鹿追視察
菅義偉前首相が18日に十勝入りし、午後は鹿追町のしかおい水素ファームや、JA帯広かわにしの十勝川西長いも選果場(帯広市別府町)を視察、同場内で記者団の取材に応じた。午前に視察した上士幌町のふるさと納税制度を活用したまちづくりを評価したほか、厳しい北海道・十勝農業に関し、輸出拡大に活路の可能性があるなどとした。
菅氏は総務相時代、地方創生などを目的にふるさと納税制度を創設。上士幌町が同寄付金を活用し、認定こども園「ほろん」の保育料無料化を図ってきたことなどに触れ、「少子化という大きな課題に還元策として(寄付金)活用するなど、非常に早い段階から取り組んだ」と力説。過去に出席した、納税者向けの東京での感謝祭が交流人口促進につながっているとし、「自身の(推進してきた)ふるさと納税の原点に立ち返るような素晴らしいまち」とした。
一方、生乳の生産調整や飼・肥料高などで厳しい経営を迫られている北海道・十勝の農業について「(農林水産物・食品の)輸出は昨年初めて1兆4000億円を超え、(前年比)14%の伸び率、今後もまだ伸びる可能性がある。供給源としては圧倒的に北海道が多く、工夫していけば(展望が開ける)可能性はある」とした。
視察には鈴木直道道知事や中川郁子衆院議員らも同行。鹿追ではバイオガス発電の余剰熱を使ったチョウザメのキャビアやマンゴーのピューレも試食した。(佐藤いづみ、植木康則)
農産物「輸出」に可能性 菅前首相、帯広や鹿追視察