帯工３８得点大勝、３５年ぶりインターハイ勝利 白樺学園も初戦快勝 全国高校アイスホッケー初日
【１回戦・帯工―高崎工】帯工の宮脇快翔（右手前）は６得点を挙げる活躍でＦＷ陣をけん引した
【釧路】アイスホッケーの第７２回全国高校選手権は２１日、釧路アイスアリーナなどで１回戦の１１試合を行った。帯工は３８－０で高崎工（群馬）を圧倒し、１９８８年の第３７回帯広大会以来、３５年ぶりの全国１勝を挙げた。白樺学園は６－３で北海道栄（胆振管内白老町）を退けた。２２日の２回戦で帯工は昨年４強の埼玉栄と、白樺学園は軽井沢（長野）と８強入りを懸けて激突した。シード校の清水は２回戦から登場し、釧路湖陵と対戦した。（古川雄介）
強さ求め学年の壁排除 ３年生コンビで口火 １年西尾兄弟大暴れ
全員得点のゴールラッシュで、帯工が３５年ぶりのインターハイ勝利を手にした。１３人と少ない人数ながら攻撃の手を緩めず、ほぼ相手ゾーンに張り付いてゲームを進めた。６ゴール６アシストと気を吐いたＦＷ宮脇快翔（３年）は「歴代最強と言われるためにも、ベスト８、その先も目指す。新しい時代をつくりに来た」と高いモチベーションを見せた。
３５年ぶりのインターハイ勝利を挙げた帯工の選手たち
計１３４本のシュートに、自力で初の道代表の座を勝ち取ったプライドがにじんだ。ＦＷ北川悠斗主将から宮脇へ、３年生コンビで口火を切ると、双子兄弟のＤＦ西尾然、ＦＷ西尾烈（１年）の大暴れで一気にリード。２年生も負けじとＦＷ引地真大、ＤＦ眞砂亘が得点を重ねた。他部からの助っ人のＤＦ寺内舜、ＧＫ杉原煌（共に３年）も出場して役目を果たした。
プレーでは学年に関係なく遠慮無く要求できる関係を、全国大会を意識する中で築いてきた。宮脇は北川と共に１年生から主力を担い、「チームを強くしたい強い気持ちがあった。白樺（学園）や清水に点差をつけられても１点でも多く得点したかった。食い違えば先輩にでも意見を出した」。時にぶつかることもあったが、今の１、２年生とは思いを共有し「チームになれている」と一体感がある。
１９８８年に開催地枠で出場し、明大中野（東京）に３－２で勝って以来のインターハイ白星だが、２回戦の埼玉栄戦に向けて浮かれる選手はいない。「１試合を経て臨めるのはアドバンテージ。ブレークアウトの動きも次戦につながる」と新妻正啓監督。初戦では（埼玉栄の）偵察部隊を意識してパワープレーの形も封印。本州の雄を相手に「一番いい試合をしてくれると信じている」と期待を込めた。
【１回戦・白樺学園―北海道栄】第２ピリオド、２点差に突き放す４点目を決めて喜ぶ白樺学園のＦＷ金子輝叶（右奥）
白樺、道栄振り切る 憧れ再現へ凱旋殊勲弾 釧路出身のＦＷ金子
初戦の硬さが出た白樺学園は第２ピリオド、道栄に２－２と追いつかれる場面も。ＦＷ小岩獅竜（２年）の勝ち越し弾の直後、ＦＷ金子輝叶（きらと、３年）が４点目を決め、主導権を奪い返した。金子は「走り込んだところに岸本（航太）主将（３年）が出してくれた。冷静に狙えた」と胸を張った。
釧路鳥取中出の金子は、初めて観戦したインターハイで白樺学園が優勝するのを目撃。以来憧れ続け、進学も迷わず決めた。今大会は第１セットを担っての凱旋（がいせん）。「看板選手として流れを引き寄せるのが役目」と意識も高い。セット内での戦術は、主将らと氷の内外で話し合ってきた。
相手の守備の気迫に押されたと初戦を厳しく評価した湊谷匡晃監督も、金子のゴールは「大きかった。３－２のままなら、うちに焦りが出ることもあったが、４点目は効果的だった」と褒めた。かつて見た日本一の再現へ、金子は「大事なところで決め切りたい」と決意を込めた。
（２１日）
◇１回戦
白樺学園 ６（２－１ ２－１ ２－１）３ 北海道栄（白老）
▽得点
【白】
（１）小岩→木戸→村上太（１Ｐ７分４秒）
（２）村上桂→高田（１Ｐ８分２３秒）
（３）金子→高田→小岩（２Ｐ１７分８秒）
（４）島本→岸本→金子（２Ｐ１８分１６秒）
（５）高田→村上桂（３Ｐ７分１７秒）
（６）金子→西浦（３Ｐ１６分５９秒）
【北】
（１）村山→乘本→加藤伶（１Ｐ１９分５２秒）
（２）柳橋→乘本→磯崎優（２Ｐ１３分２０秒）
（３）大城→乘本（３Ｐ１９分４３秒）
▽反則
【白】４（高田、岸本、村上桂、下山）
【北】６（柳橋３、田中、加藤伶、磯崎優）
▽シュート数
【白】４４（１４、１９、１１）
【北】１１（４、３、４）
帯工 ３８（９－０ １９－０ １０－０）０ 高崎工（群馬）
▽得点
【帯】
（１）北川→宮脇（１Ｐ５０秒）
（２）西尾然→西尾烈（１Ｐ５分４９秒）
（３）福田→西尾烈（１Ｐ７分４２秒）
（４）寺内→北川（１Ｐ９分５４秒）
（５）西尾然→白川→福田（１Ｐ１０分５１秒）
（６）西尾然→西尾烈（１Ｐ１３分５１秒）
（７）北川→宮脇（１Ｐ１７分３秒）
（８）熊谷→引地→西尾然（１Ｐ１７分４１秒）
（９）宮脇→北川→眞砂（１Ｐ１８分５６秒）
（１０）眞砂→北川→引地（２Ｐ２８秒）
（１１）福田→白川（２Ｐ１分３３秒）
（１２）尾田→引地（２Ｐ１分５５秒）
（１３）福田（２Ｐ３分１４秒）
（１４）西尾然→福田→西尾烈（２Ｐ４分５５秒）
（１５）熊谷→福田→白川（２Ｐ５分９秒）
（１６）福田→宮脇（２Ｐ６分２秒）
（１７）宮脇→眞砂（２Ｐ６分２３秒）
（１８）北川→宮脇→引地（２Ｐ７分１５秒）
（１９）福田→西尾然（２Ｐ８分１秒）
（２０）西尾然→西尾烈→熊谷（２Ｐ１２分２１秒）
（２１）宮脇→引地（２Ｐ１３分１秒）
（２２）福田→熊谷→西尾烈（２Ｐ１３分４１秒）
（２３）西尾烈→白川（２Ｐ１４分９秒）
（２４）眞砂→宮脇（２Ｐ１５分１８秒）
（２５）北川→尾田（２Ｐ１７分１９秒）
（２６）寺内→眞砂→尾田（２Ｐ１７分３３秒）
（２７）白川→西尾然→福田（２Ｐ１９分１５秒）
（２８）宮脇→引地（２Ｐ１９分２３秒）
（２９）北川→寺内→眞砂（３Ｐ１１秒）
（３０）北川（３Ｐ３分３６秒）
（３１）北川→宮脇→寺内（３Ｐ７分１１秒）
（３２）尾田（３Ｐ８分３９秒）
（３３）寺内→尾田→宮脇（３Ｐ９分４８秒）
（３４）眞砂→宮脇（３Ｐ１０分１秒）
（３５）北川→尾田→寺内（３Ｐ１２分３２秒）
（３６）尾田→眞砂（３Ｐ１３分５５秒）
（３７）北川（３Ｐ１４分１３秒）
（３８）熊谷→西尾烈（３Ｐ１８分５２秒）
▽反則
【帯】０
【高】２（メンバー、椚瀬）
▽シュート数
【帯】１３４（５０、４８、３６）
【高】１（１、０、０）
釧路工 ５－２ 光泉（滋賀）
日光明峰（栃木） １９－０ 関西大第一（大阪）
八戸工（青森） １８－１ 岩手
釧路湖陵 ５－４ 水戸啓明（茨城）
武相（神奈川） １９－０ 明大中野（東京）
東北（宮城） １５－６ 早稲田実業（東京）
慶応義塾（神奈川） ３－０ 八戸（青森）
釧路江南 ６２－０ 龍谷富山（富山）
八戸工大第一（青森） ２６－０ 八戸学院光星（青森）
