高木菜那さん「メディアの仕事を」美帆さん「姉がいなくなるのが寂しい」郷里・幕別でトークショー
【幕別】北京五輪のスピードスケートで金メダルを含む5個のメダルを獲得した幕別町出身の高木菜那さん(29、帯南商高出)美帆さん(27、日体大職-日体大、同高出)姉妹の報告会が17日、町百年記念ホールで行われた。長野五輪金メダリストで帯広市出身の清水宏保さんを進行役に迎えたトークショーが行われ、現役引退を表明した菜那さんはメディアでの仕事に意欲を示し、美帆さんは「姉がいなくなるのが寂しい」と話した。その模様を紹介する。(本田龍之介)
清水さん 美帆選手の(1000メートルでの)金メダルも素晴らしかったが、それ以外のレースも素晴らしかった。日本に帰ってきて休みはあったか。
美帆さん 帰国後7日間の隔離期間があり、地元でプライベートを過ごす時間を確保できていなかった。
十勝でオフ満喫
菜那さん 引退して次のこととなると、いろんなことをやらなくてはと追われていた。ちょうど16日に帯広で「名探偵コナン」の映画を見た時に、オフを満喫できた。コロナ禍でなかなか難しいが、何も考えずみんなでワイワイできる時間がほしい。
清水さん (北京)オリンピックの選手村の生活は過ごしやすかったか。
美帆さん 選手村は普通のマンションの一室を使っており、床がフローリング、パイプ椅子・テーブルがあり、リラックスするには無機質な感じだった。
菜那さん 選手村は自分たちの部屋にテレビがなかったので滑りを(放送映像で)見る機会はなかった。(日本選手)4人と同室だったが、選手村の何のご飯だったら食べられるかとか、帰ったら何を食べたいかなどを話していた。
清水さん きょうはスケートを練習する子どもたちも会場にいる。スケートに関するアドバイスは。
菜那さん 姿勢を低くするために足首・背中を柔らかくするストレッチが大事。ストレッチは5分でもいい。長く続けるためにコツコツやってほしい。
清水さん 菜那さんは引退を発表した。感想と今後どうするかを伺いたい。
菜那さん スケートを続けてきてつらいことの方が多いスケート人生だったが、思い出がその分、詰まっている。もしかしたら清水さんの隣で解説することもあるかもしれない。メディアの仕事もやりながら、一般の方やスケートをやってない子どもたちにきっかけを与えられるようになりたい。
清水さん 今シーズン、スケート界で多くの人が引退した。(前回2018年の平昌五輪と今年の北京五輪で)金銀銅(メダル)を取り、世界記録を持っている美帆選手。今後のモチベーションをどう維持するか。
自分に問いかけて
美帆さん モチベーションは無理につくるものではなく、湧き上がってくるもの。小学生の頃は失敗したくない気持ちが強く完璧にこなそうとしていた。それだとやっぱり疲れてくる。できれば皆さん自分自身が何をやりたいか問いかける時間をつくってほしい。姉が(競技から)いなくなるのが一番寂しい。