2年ぶりの成人式 集い「うれしい」 帯広・幕別・池田
十勝管内16市町村で9日に開かれた成人式。新型コロナウイルス感染対策が徹底された各会場では、振り袖やスーツ姿の新成人が集い、大人としての自覚を胸に一歩を踏み出した。コロナ禍で昨年は中止を余儀なくされた帯広市と幕別町では、2年ぶりの開催となった。
出身中学別に2部制で開催 帯広市
帯広市民文化ホールで開かれた「帯広市成人の集い」は、密になるのを防ぐため出身中学校別の2部制で開かれ、合わせて1026人が出席した。2年前と比べ出席者は100人ほど少なく、市教委はコロナ感染拡大の影響とみる。
第1部では米沢則寿市長が「人とのつながりの重要性を再確認できた今だからこそ、周りの人たちと互いに支え合い、思いやる心を大切にしてほしい」とあいさつ。有城正憲市議会議長が祝辞を述べた。
新成人代表の田巻風雅さん(小樽商科大2年)は「これからの人生、苦しいことやつらいこともあると思うが、仲間と助け合い、困難を乗り越えながら精いっぱい生きていくことを誓う。新型コロナが収束していない中、共に育った仲間とこの場に集まれたことを心からうれしく思う」と二十歳の誓いを述べた。
市応援大使を務める北海道日本ハムファイターズの杉浦稔大、清水優心両選手からのビデオメッセージが紹介された。(澤村真理子)
百年記念ホール 195人が出席 幕別町
幕別町の成人式は町百年記念ホールを会場に行われ、町内の新成人195人が出席。成人式実行委の実行委員長を務める藤原知紀さん(20)=帯広畜産大学2年=は「高校を卒業して十勝を出る人が少なくない中で、成人式は一生に一度しかない機会。コロナ禍の中、開催できてありがたい」と述べた。
式典では飯田晴義町長が「さまざまな経験を通じて実りある人生となることを祈る」、町議会の寺林俊幸議長が「自分の力を信じ、今だからこそできることに果敢にチャレンジしてほしい」と式辞を述べた。コロナ対策のため、集合写真を撮影した後、解散した。(本田龍之介)
誕生年ワインで新成人37人乾杯 池田町
池田町の成人式は町田園ホールで開かれ、新成人が誕生年の十勝ワインで乾杯した。
式の対象者60人のうち37人が出席。町教委の加賀学教育長が「夢や目標に向かってまい進し、持続可能な社会の創り手として活躍を」と激励、安井美裕町長が祝いの言葉を述べた。
恒例のメモリアルワイン開栓セレモニーでは、新成人の阿部百花さんと清水悠さんが2001年産のブドウで醸造された十勝ワイン「セイオロサム(赤)」を巨大グラスに注ぎ、同じく新成人の辻真奈さんの発声で乾杯した。20年の熟成ワインで門出を祝い、20歳を迎えていない新成人はブドウジュースを口にした。
町出身のシンガー・ソングライターMokkunさんの弾き語りが花を添え、新成人を代表して佐藤涼香さんが「中学3年時の担任の『大丈夫』という言葉を思い出し、未来や希望に向かって前へ進みたい」と思いを述べた。
新成人には記念品として、8年前の中学生時代に収穫した「山幸」で造られた十勝ワインが贈られた。(小縣大輝)