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白樺学園男子学校対抗V、女子は帯南商頂点 時安、水戸(帯三条3年)1500制す 道高校スケート選手権大会

男子学校対抗で優勝の白樺学園

 スピードスケート競技の第74回道高校選手権大会(道高体連、道スケート連盟など主催)最終日は19日、明治北海道十勝オーバルで男女の6種目を行った。男子1500メートルで時安清貴(帯三条3年)が大会新記録で制覇し、前日の1000メートルとの2冠を達成。女子同は水戸咲良(同同)が優勝し、同じく1000メートルとの2冠を飾った。男子学校対抗は、団体追い抜きと2000メートルリレーで勝利した白樺学園が6連覇を果たした。女子同は団体追い抜きを制した帯南商が6年ぶりに優勝した。(新井拓海、金野和彦)

白樺学園男子、リレーなどで巻き返し学校対抗V
 白樺学園が男子学校対抗の6連覇を遂げた。個人種目では帯三条勢に頂点を奪われ続けたが、蟻戸丈生主将(3年)は「全員が取り返す気持ちだった」と団体競技で雪辱を果たした。

【男子2000メートルR】3走・藤中秀斗(右)から4走・熊谷宗一郎にバトンが渡る白樺学園

 2000メートルリレーは、2位の帯三条に0・02秒の差で制した。相手は、いずれも個人種目2冠の笠原光太朗が3走、時安清貴を4走に据える布陣。白樺学園は軍司一冴(2年)が大会1週間前のけがで抜ける中でも、1走・辻本楓芽(1年)、2走・中捨朝陽(3年)、3走・藤中秀斗(1年)、アンカー熊谷宗一郎(同)と3人の1年生らが重圧をはねのけた。

 1走・辻本は「次の走者が滑りながらバトンを受けられるように(渡す時に走者の)前に出た」。2走・中捨も「(スピードを生かすために)次の走者の横に付くことを意識してパスした」と大会前に注力したバトンの受け渡しを発揮。

 3走・藤中は「つなぐことだけを考えた」と力走。バトンパスでは、練習通りにアンカー熊谷の前に出た。スピードを生かし切ってバトンを託された熊谷は「(前3人の)努力を無駄にしないように」と、猛追する時安を背に力を振り絞った。最後のストレートでは、すぐ後ろに時安のスケートの刃の音を聞きながら、右足を前に出してゴールラインを切った。2走の中捨に「よくやった」と声を掛けられ、熊谷は勝利を実感した。

 パシュートでも優勝を果たした蟻戸主将は「(最終日は)気持ちを切り替えた。軍司が欠ける中でリレーで優勝できたことで、チーム全体がインターハイに前向きな気持ちで臨める」と力を込める。男女での個人と団体での全国大会制覇に向け、白樺学園が勢いを得た。

女子学校対抗で優勝の帯南商(後列左端が白幡圭史監督)

◆帯南商女子、団体追い抜き大会新で制し学校対抗頂点
 大会新記録で女子団体追い抜きを制した帯南商が、学校対抗でも優勝した。

 昨年4月に白幡圭史監督が就任。長距離選手として活躍した白幡監督は、2002年ソルトレークシティー五輪1万メートルで4位入賞するなど、3大会の五輪に出場した経験を持つ。同監督は「今年やってきたことの結果が出たわけではなく、去年のことがやっと今季出てきた」と話した。

【女子団体追い抜き】帯南商が3分15秒23で優勝した(右から北嶋咲羽、島くるみ、木村咲映)

 チームは短時間での集中型の練習を重視して力をつけてきた。時に1時間だけの練習の日もあったが、木村咲映(3年)は「大会に向けて先生が(練習内容を)組み立ててくれている」と信頼する。今年春には新たに男子3人が入部するなど、女子だけでは難しいスピード強化の練習にも弾みがつき、実力が高まった。

 団体追い抜きは、北嶋咲羽主将(3年)と島くるみ(同)が1周半をけん引。今季好調の木村が3周を託されて力走し、勝利をつかんだ。島は「人生で初優勝なのでうれしい」と笑顔で喜んだ。白幡監督が「元気活発な3年生で、(監督の)自分自身恵まれている」と話すように、チームの雰囲気は良い。

 インターハイに向けて気合を入れ直す。北嶋主将は「山形中央など強いチームが多い。体とフォームをつくり、タイムを更新したい」と意気込んだ。

【男子1500メートル】圧巻の滑りを見せ、大会新記録の1分49秒26で制した時安清貴(帯三条)

◆時安清貴、圧巻の1500大会新Vで2冠
 時安清貴が男子1500メートルを自己新記録で滑り、大会記録も更新して優勝した。「最初から飛ばしていくペースで滑った。大会新を狙っていた」と、前日の1000メートルと共に圧巻の滑走を見せた。

 大会を通して今後の可能性を示した。高校卒業後は日大に進み、さらなる高みを目指す。「大学で1年1年記録を伸ばして、オリンピックに出られたら最高」と先を見据える。

 そのためにも、自身初の海外試合となる来年1月のジュニアワールドカップ最終戦と世界ジュニア選手権(共にオーストリア・インスブルック)で結果を残すつもりだ。「見たことない選手をしっかり見て学びたい」と、向上心を持って大舞台に臨む。

【女子1500メートル】力走する帯三条の水戸咲良。2分3秒61で頂点に立った

◆水戸咲良、2冠も大会新逃し満足できず
 水戸咲良は女子1500メートルで頂点に立つも、自己ベストと大会記録更新を狙っていただけに満足はできない結果だった。来年1月の世界大会の日程と重なり全国高校総体には出られない。最後の高体連となる今回、1000メートルと1500メートルでの2冠は「絶対条件だった」と、順位はもちろん記録も目指した。

 ただ、1500メートルでの実戦が不足した中での今回の結果。加えて、前日の1000メートルで体力を使い切っていたため体の重さも感じていた。「もっと自分に合った体のケアができていれば」と、今後のさらなる成長への糧にする。

女子1500メートルの入賞者。左から準優勝の森野こころ(駒大苫小牧)、優勝の水戸咲良(帯三条)、3位の木村咲映(帯南商)

 自ら考えて練習する環境にひかれて来春、高崎健大に進学する予定。世界大会でも力を付け、さらなる成長を目指す。


(19日、9位以下関係分)
【道高校選手権】
<男子>
◇1500メートル
(1)時安清貴(帯三条)1分49秒26・大会新
(2)林拓磨(白樺学園)1分52秒05
(3)中捨朝陽(同)1分53秒14
(4)藤田耀司(帯三条)1分54秒10
(5)鎌田皓哉(白樺学園)1分55秒11
(6)小丹枝海斗1分56秒41
(7)寺町凌太1分58秒33
(8)金須隼人(以上帯農)1分59秒16
(9)戸水駿大(帯南商)1分59秒17
(11)北野陽翔(帯三条)2分1秒84
(13)森住駿(帯南商)2分3秒08
(14)植本一希(池田)2分4秒58

◇団体追い抜き
(1)白樺学園(蟻戸丈生、齊下功聖、林拓磨)3分59秒87
(2)駒大苫小牧(鮫川友希、引地朔野、船崎優太)4分5秒83
(3)帯農(小丹枝海斗、白川弘、大道康裕)4分6秒77
(4)帯三条(藤田耀司、佐藤太陽、北野陽翔)4分7秒62
(5)池田(水口浩斗、武田京乃、山本敬太)4分19秒92
(6)帯南商(戸水駿大、半田快、森住駿)4分21秒21

◇2000メートルリレー
(1)白樺学園(辻本楓芽、中捨朝陽、藤中秀斗、熊谷宗一郎)2分26秒30
(2)帯三条(阿部心哉、浪岡大裕、笠原光太朗、時安清貴)2分26秒32
(3)池田(水口浩斗、植本一希、山本敬太、武田京乃)2分30秒01
(4)帯農(森大翔、津田斗真、金須隼人、笹渕遥人)2分33秒40

◇学校対抗
(1)白樺学園69点
(2)帯三条59点
(3)帯農50点
(4)駒大苫小牧32点
(5)池田26点
(6)帯南商3点
(7)芽室、士幌、帯柏葉、帯大谷、釧路商、釧路工、釧路明輝、標茶0点

<女子>
◇1500メートル
(1)水戸咲良(帯三条)2分3秒61
(2)森野こころ(駒大苫小牧)2分4秒15
(3)木村咲映(帯南商)2分5秒98
(4)河原莉緒(帯三条)2分6秒20
(5)前田梓(白樺学園)2分6秒26
(6)北嶋咲羽(帯南商)2分6秒82
(7)藤岡日菜2分7秒74
(8)藤井南帆2分9秒99
(9)高橋弥恵(以上帯農)2分10秒19
(10)島くるみ(帯南商)2分10秒41
(11)宮下愛菜(帯三条)2分10秒98
(12)丸子夢実(白樺学園)2分12秒66
(15)瀬戸梨々華(池田)2分14秒14
(17)丸子南徠(白樺学園)2分21秒07
(18)井出依快(本別)2分22秒45

◇団体追い抜き
(1)帯南商(北嶋咲羽、木村咲映、島くるみ)3分15秒23
(2)白樺学園(久保杏奈、前田梓、奥秋智佳)3分16秒25・以上大会新
(3)帯三条(池田結衣花、宮下愛菜、河原莉緒)3分24秒98
(4)帯農(藤井南帆、藤岡日菜、高橋弥恵)3分25秒57
(5)駒大苫小牧(森野こころ、居城真衣、小村唯)3分28秒32

◇2000メートルリレー
(1)帯三条(田中萌々子、道見花恋、水戸咲良、河原莉緒)2分44秒17
(2)白樺学園(前田梓、中西琴菜、久保杏奈、奥秋智佳)2分46秒27

◇学校対抗
(1)帯南商49点
(2)白樺学園47点
(3)帯三条43点
(4)帯農20点
(5)駒大苫小牧18点
(6)池田、立命館慶祥6点
(8)本別、帯大谷、釧路江南、釧路商、釧路明輝、札幌藻岩0点

【国体道予選会少年の部】
<男子>
◇1500メートル
(1)中島涼太(帯農高)2分2秒82
(2)井上由貴緒(白樺学園高)2分2秒90
(3)正保元(帯農高)2分6秒51

<女子>
◇1500メートル
(1)池田結衣花(帯三条高)2分12秒59
(2)竹林伶茄(帯南商高)2分13秒80
(3)道見花恋(帯三条高)2分14秒19
(4)笛木花和(帯農高)2分16秒07
(5)西島平恵(帯三条高)2分22秒27
(6)韮澤理子(駒大苫小牧高)2分22秒77
(7)中島帆乃華(帯農高)2分23秒84

関連写真

  • 男子1500メートルの入賞者。左から準優勝の林拓磨(白樺学園)、優勝の時安清貴(帯三条)、3位の中捨朝陽(白樺学園)

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