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赤潮でウニ品薄 すし店やスーパー

店頭の品書きにはウニも並ぶが、提供はできずにいる(21日、幕別町の竹葉寿司で。小山田竜士撮影)

 十勝沿岸などで赤潮が原因とみられる甚大な漁業被害が確認される中、十勝管内のすし店やスーパーでもウニが品薄となっている。例年であれば、これからは広尾や釧路管内厚岸など道東産が出てきて「モノが厚くなる時期」(関係者)だが、すでに「特上」の提供をやめたすし店もあるなど影響が広がっている。ウニは放流から漁獲まで4年を要するため、関係者からは影響の長期化を懸念する声が聞かれる。(澤村真理子)

 「創業から46年がたったが、こんな状況は初めて」。幕別町札内の「竹葉寿司(ずし)」の杉山雪男代表(76)は、ため息をつく。同店では9月からウニの仕入れがなく、「特上」(2200円)の提供ができていない。「寿司松」(1600円)はウニの代わりにウナギを入れたり、カニを増やしたり顧客の要望を聞いて対応している。杉山代表は「来年の今ごろはどうなっているだろうか…」と心配する。

 十勝3店舗を含む道内9店舗で回転ずし「まつりや」を展開する「ときわ」(本社釧路市)も「これ以上価格が上がってしまうと、ウニの提供をやめるか、値上げするかしかない」(岩田圭一十勝地区統括本部長)と動向を注視する。

 スーパーでもウニの確保に苦慮している。ダイイチ商品第二部水産課の下山正裕課長補佐は「昨年は特売で100グラム780円で出していたが、今年の状況では3000円近くになってしまう。年末にかけて需要が高まるが、手配できるかどうかは見通せない状況」とする。

 帯広地方卸売市場によると、ウニの高騰はロシア産の実入りが悪いことが主な要因。加えて、道東の不漁で相場が高くなっている。赤潮の影響はほかにも、主産地の日高管内えりもなどでツブの水揚げがほとんどなく、「種類によっては相場が2倍ぐらいになっている」(同市場)。

 一方、関係者によると、秋サケの全道の水揚げ量は今月14日時点で前年比106%。ただ、コロナ下で全国的に宅配ずしの需要やインターネット販売の引き合いが強まったことで在庫が不足し、イクラの価格も高止まりが続いている。

関連写真

  • 新鮮なねたが入るケースだが、ウニは並んでいない(21日、幕別町内の竹葉寿司で。小山田竜士撮影)

    新鮮なねたが入るケースだが、ウニは並んでいない(21日、幕別町内の竹葉寿司で。小山田竜士撮影)

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