上士幌の竹中さん、7年間120点の陶芸展 4月に伊達の窯へ弟子入り「将来の種まきに」
上士幌町在住の竹中勇輔さん(26)の陶芸展「弟子入りまえ展 ちょっとパプアのことも」が8日、帯広まちなか商学校(帯広市西2南8)で始まった。昨年派遣された海外ボランティアはコロナ禍で中断となり、今年4月に伊達市の窯元へ弟子入りし、新たな一歩を踏み出す。大学時代から7年かけて制作した約120点を展示する。20日まで。
竹中さんは帯広三条高を卒業後、理学療法士を目指し、北海道文教大(恵庭市)へ進学。アルバイト先の居酒屋で、常連客が作った茶わんに一目ぼれし、2014年に陶芸を始めた。
茨城県で就職したが、「日本の文化しか知らずに、人生を終えるのはもったいない」と青年海外協力隊に応募。昨年1月から理学療法士としてパプアニューギニアで2年間働く予定だったが、新型コロナの影響でわずか2カ月後に帰国を余儀なくされた。
再派遣を目指し、収束を待つ中、上士幌町の生涯学習センターで制作に没頭。「形のバランスが良く、薄くて軽い」という理想を求めた。昨年9月、陶芸作家の加地学さんに出会い、「暮らしと陶芸が互いに影響し合っている姿に共感した」と弟子入りを志願。「良いと思うものを柔軟に取り入れていきたい」と話す。
今回の作品展は、恵庭と茨城、協力隊の派遣前に暮らした東京の3カ所で手掛けた作品や、上士幌で制作した器やキャンドルポットなどが並ぶ。また、パプアニューギニアの写真や民族楽器なども展示。告知用のイラストは、上士幌中1年の知り合いの双子、戸枝琴音(ことね)さん、綺音(あやね)さん姉妹が描いた。
竹中さんは「今回は陶芸作家への種まき。パプアの紹介が小さな国際協力につながれば」と話す。水曜定休。午前11時~午後5時(最終日は午後4時まで)。(深津慶太)