映画「糸」でオーダー製作の家具使用 音更のファーマーズに熱い視線
【音更】オーダー家具の制作や雑貨販売などを手掛ける音更町内の「ファーマーズ」(すずらん台南町1、山田新治代表)。その家具や雑貨が今夏、全国で上映された映画「糸」の十勝ロケで使用され、注目を集めている。ロケで使われた商品は現在も販売されており、帯広での映画公開終了後も多くのファンらが店を訪れている。
「糸」は帯広ゆかりの歌手・中島みゆきさんの同名曲をモチーフに、人気俳優の菅田将暉さん、小松菜奈さんらが主演した北海道などを舞台にしたラブストーリー。十勝では、菅田さん演じる主人公・漣の勤務先として幕別町の「チーズ工房NEEDS(ニーズ)」(新和)や、帯広市の「BAR909(バー・ナイン・オー・ナイン)」(西1南8)などがロケ地となった。
ファーマーズは1997年に帯広で創業。2004年に現在地に移転し、自社工場での家具の製作・販売や、国内を中心に仕入れるなどした家具・雑貨を取り扱っている。昨年の十勝ロケを前に、インターネットを通じて店を知ったという映画の装飾会社から依頼があり、山田代表が快諾。ラウンドテーブルやカウンター、チェストなどのオーダー家具から、バードハウスやスタンドといった雑貨など総額約250万円の商品を無償で貸し出した。
作品中、同店の家具は室内の装飾など、主人公が勤務するチーズ工房での菅田さんや榮倉奈々さんらのシーンで登場する。店名が映画のエンドロールにクレジットされたこともあり、公開後は多くのファンらが訪れたという。
同店ではロケで使われた商品に「糸」のポップを付けるなどし、販売しているほか、映画に出演した俳優の松重豊さんがロケ時に使用し、直筆でサインした椅子も展示している。
「公開後、菅田さんのファンと思われる若い人の来店や、商品の写真を撮りたいという人が増えた」と同店の畔木明香店長。山田代表も「映画を見た人からの反響も大きい。手作りの家具が映画のイメージに合っていたのであれば、うれしい」と話している。
(大谷健人)