札幌の商業活動ダメージ 道全体へ波及懸念
【札幌】6日未明に発生した北海道胆振東部地震から初の週末を迎えた8日、札幌市の商業・宿泊施設などでは営業を再開できない店舗が多い状態が続いている。北海道を代表する大都市の経済を直撃し、十勝を含めた道内全域に影響を及ぼす可能性もある。特に観光や消費などの低迷が危ぐ危惧される。
札幌市は最大震度6弱(東区)を観測し、8日午前現在でも一部地域で停電や断水が解消されていない。市内中心部のホテルなどは、通電後も安全確保に時間を要し、物資の供給が途絶えてほぼ閉鎖中。札幌市が開放した「札幌駅前通地下歩行空間」で、7~8日も一夜を明かした観光客が多い。
中央区の札幌グランドホテル(504室)では、通常のサービスが維持できないため、9日まで閉鎖を決めた。停電が解消されたのは7日午後9時ごろ。10日以降の営業について、同ホテルマーケティング担当は「物流の状態を見ながら、お客さま(宿泊予約者)と相談しながら決めたい」としている。
JR札幌駅に隣接する大手百貨店の大丸札幌店では8日の10時から一部営業を再開したが、生鮮食品などを扱う食料品フロアは、レストランフロアを閉鎖している。同店を運営するJ・フロント リテイリンググループは「丸2日間、営業できなかったのは大きな痛手。交通インフラの回復状況など問題は残されている」と不安を募らせている。
また、7日から開催を予定していた「さっぽろオータムフェスト」が延期されるなど、各種イベントにも影響が出ている。