アウトドアレジャーの季節はマダニに注意 帯広保健所が呼び掛け
アウトドアレジャーの機会が多くなる季節を迎え、帯広保健所はマダニへの注意を呼び掛けている。草が生い茂る場所に生息するマダニはダニ媒介脳炎やライム病といった病気のウイルスを持つ。かまれると7~14日間の潜伏期間を経て重い症状が出る恐れがある。保健所は「山林や草むらに入る場合は肌の露出を少なくし、万一、かまれた場合はすぐに医療機関を受診して」と呼び掛けている。
死亡事例も
全道では、過去5年でダニ媒介脳炎が4件し、患者が死亡した事例もある。ダニ媒介脳炎はインフルエンザに近い症状の後、髄膜脳炎によりけいれん、目まい、知覚異常などが発生する。今年5月には旭川市で山菜採りに山林に入った40代女性がマダニにかまれ、発症する事例も出ている。
十勝ではダニ媒介脳炎は発生していないものの、ライム病が過去5年間で5件ある。ライム病も発熱、悪寒、頭痛、関節痛といったインフルエンザに似た症状が出る怖い病気だ。
マダニは山や河原、畑のあぜ道など、どこにでもいるが、血を吸われても気がつかないケースもある。長時間、人の血を吸ったマダニの体長は約1・5センチ(吸血前0・5センチ)までふくらみ、ここで違和感を覚える人も多い。
忌避剤も有効
保健所は「かまれるのを防ぐためには、マダニの生息場所に入る際に腕、足、首などの露出を少なくし、ディート、イカリジンが配合された忌避剤も使いながら対策をしっかりすることが必要」としている。
また「かまれた際に無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚にのこって化膿(かのう)したり、体液が逆流してしまったりする恐れがあるので、医療機関で処置を受けてほしい」と話している。(奥野秀康)