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編集余録「原点から」

 平昌五輪(2月9日開幕)を前に、近代五輪の根本原則などを記した「五輪憲章」を読む。いいことがたくさん書いてある

▼「平和な社会の推進を目指す」「スポーツをすることは人権の一つ」「いかなる形態の差別にも反対し、行動する」「スポーツにおける女性の地位向上を奨励し支援する」など

▼しかし「選手の健康に関する対策を奨励し支援する」「スポーツと選手を政治的に商業的に不適切に利用することに反対する」では、理想と現実との違いが見え始める。2020年東京五輪の開催期間(7月24日~8月9日)は猛暑による選手への影響が心配だが、テレビ放映権など商業的な理由で決まったらしい

▼「大会の有益な遺産を、開催国と開催都市が引き継ぐよう奨励する」とするのはいいが、五輪開催後に財政破綻に陥った国もある。2年前のブラジル・リオ五輪の各会場がすでに荒廃している様子も報じられている

▼大会は「個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」は、恐らくナショナリズム(国家主義)発揚の場とすることを避ける規定だろうが、現実はどうか。国を挙げて強化された選手が、国民の期待を背にメダル獲得競争をする。“国別対抗戦”ゆえに盛り上がる

▼原点から離れ続けたら五輪の未来はどうなるのか。十勝勢を熱烈応援しつつ、心配もする。(横田光俊)

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