「農高牛乳」がHACCP取得
帯広農業高校(二木浩志校長、生徒597人)が製造する「農高牛乳」が、食品衛生管理基準「HACCP(ハサップ)に基づく衛生管理導入の評価基準」の最高評価Aを取得した。十勝管内の高校のHACCP取得は初めてで、道内でも珍しい。
「農高牛乳」は同校食品科学科の生徒が実習で製造し、学校敷地内のアンテナショップ「あぐりす」や管内のイベントなどで販売している。
取得したHACCPの評価基準は、施設設備、管理運営などの衛生管理やHACCPに関する取り組みを総合的に評価するもの。A~Cの3段階評価で保健所が審査する。厚労省は2020年の東京オリンピックを見据え、すべての食品事業者に対しHACCPによる衛生管理を進める方針を示している。同校は評価Aの取得により、この管理基準をクリアした。
取得に向け、食品科学科3年生は今年5月からHACCPの仕組みを学び、加工室の確認や資料整理などを行ってきた。製造の温度や菌、洗浄の管理などはこれまでも実施しており、HACCPに適合するよう見直した形だ。高大連携をしている帯広畜産大学の渡辺信吾特任教授の指導も受け、今月7日の保健所の審査を経て、12日に評価を取得した。
同校は今後、他の乳製品や肉加工品などについてもHACCP取得を進める方針。生徒の佐藤美里さんは「Aを取得したことで農高牛乳の安全性が証明され、うれしい」と喜び、都内飲食店への就職が内定している鶴谷未優さんは「学んだ知識を生かしたい」と話している。(松田亜弓)