編集余録「ガツンと友情」
パラアスリート(障害者選手)のヨッシー(加藤義隆さん・士幌町)から「車いすラグビーを練習してます。体験してみて」と誘いが来た。喜んで出掛けた
▼会場の士幌町総合研修センターはヨッシーと帯広市の上野文士さん、鹿追町の米澤大さんら車いすの選手とサポーター、家族ら約20人で熱気ムンムン。ボールを膝の上に乗せた選手が、金属製バンパーで覆われた重戦車のような競技用車いすで突進する。それを阻止しようと相手チームの選手が「ガツン!」とタックル。ぶつけられた選手は宙を舞って車いすごと倒れるが、起き上がってまた突進
▼興奮してカメラを構える。70~200ミリのズームレンズをのぞきながら約200枚の写真を撮る。選手は皆、いい顔をしている。練習がひと通り終わり、ヨッシーが「やってみて」。競技用車いすを借りて動いてみる。回転性が良い車いすは、真っすぐ進むのが難しい
▼米澤さんが近づき、自分の車いすに「思いっ切りぶつけてみて」。助走を付けて「ガツン」とタックルしたが「弱い」と米澤さん。ヨッシーが「ぶつかった瞬間、のけ反るといい」。なるほど。こん身の力を込め再び米澤さんにぶつかると「ガツン!」、車いすは宙を舞った。初めて味わう快感
▼十勝の3選手とサポーター3人の記事を書いた。パラアスリートへの尊敬と友情の思いを込めた。(横田光俊)
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