清水宏保さん、レースに向け練習走行開始
【更別】同車種の市販車を使って速さを競う人気の自動車レース「GAZOO Racing Netz Cup Vitzレース」の北海道シリーズ第2戦(7月30日・十勝スピードウェイ)を控え、ドライバーとして初参戦する帯広市出身の長野冬季五輪スピードスケート金メダリスト清水宏保さんが27日、レースに使用する車両に乗り込み、村弘和の同サーキットを走行した。自動車レースは初の体験だが、「楽しめれば」とデビュー戦を心待ちにしている。
この日は午前10時、チーム監督の平中克幸さんの父で現役レーサーの繁延さん(62)=札幌=が清水さんと共に車両に乗り込み、コース上でレースに必要なテクニックを伝授。コース取りやシフトチェンジのタイミングなど、安全に速く走るためのコツを教えた。
レース出場をマネジメントするディビジョンワン(東京、玉置克範エグゼクティブ・ディレクター)が所有する、赤を基調としたカラーリングの車両。レースカーのハンドルを初めて握った清水さんは「速いがコントロールしやすい」と満足げ。一方、普段の運転ではあり得ないタイヤが滑る感覚や、車体と体にかかる大きな遠心力など、レースならではの車の特性を体に覚え込ませた。玉置ディレクターは「まずは完走してポイントを取ってほしい」と話す。
世界のトップアスリートとして活躍した清水さんは、サーキットを走ることで「現役時代のような集中力が鍛えられている」という。自身がレース出場を果たすことで「元アスリートたちが興味を持つきっかけになれば」とし、「一般の方にとっても参加するハードルが下がるのでは」と期待する。
レースの舞台となる十勝スピードウェイ営業企画室の刈屋直樹さんは、十勝出身の金メダリストの参戦を歓迎する。「レースを始めたばかりで入賞は難しいかもしれないが、応援に来て頑張る姿を見てほしい」と話している。(折原徹也)
日本初のナンバープレート付き車両によるレースで2000年から開催。国内を5ブロックに分け、それぞれ年間3~4戦を行う。16年には延べ576台が参加した。同一車種でエンジン改造不可などの条件を付け、車両改造の出費を抑える。比較的費用が掛からないため、アマチュアや初心者も参加しやすい。