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中学校卒業ソング、定番は「旅立ちの日に」

式を彩る卒業生による合唱。歌に込めた思いが出席者の感動を呼ぶ(昨年3月、帯広第五中で)

 高校の卒業式が終わり、十勝管内の中学校の多くは、15日に卒業式が行われる。式の終盤に3年生が恩師や友人、保護者に贈る合唱は心を揺さぶり、卒業後も記憶に残る「青春を思い出す」1曲だ。曲目では「旅立ちの日に」が依然として歌われることが多いが、近年は新たな合唱曲やポップスも選ばれ、「蛍の光」「仰げば尊し」のかつての定番ソングは様変わり。今春の管内49中学校の人気曲を探った。

 「白い光りの中に…」で始まる「旅立ちの日に」(作詞・小嶋登、作曲・高橋浩美)は、1991年に埼玉県の中学校の校長と教諭によって生まれた名曲で、今年度も最も多い15校で選ばれた。音楽雑誌に掲載されて広まった同曲は、07年にSMAPがCMソングとして歌ったのをきっかけに全国的に知れ渡った。温かく爽やかな歌詞と歌いやすい曲調が人気で、「ここ数年歌っている」(帯広第一中)など、管内で今も支持されている。

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 次に多く歌われるEXILE(エグザイル)の「道」は07年に発売された「卒業」がテーマのバラード曲。レミオロメンの「3月9日」(04年発売)は結婚式を祝うために作られた曲だが、学生生活を連想させる歌詞から、10年ほど前から人気を集めている。flumpool(フランプール)の「証」(11年同)は11年のNHK全国学校音楽コンクールの課題曲だ。

 曲目は、音楽教諭と生徒が相談の上で決める学校が多く見られた。卒業ソングを集めた楽譜本の中には人気のポップスも多く含まれ、その中から選んでいるという。音声合成技術「ボーカロイド」の初音ミクが歌い、インターネットに投稿され人気が出た「桜ノ雨」(08年、作詞・作曲halyosy)も10代に人気で、今年度は2校で歌われる。この他、ゆず、GReeeeN、アンジェラ・アキの楽曲などポップスを合唱にアレンジした曲も目立つようになった。

 かつての定番曲「仰げば尊し」「蛍の光」「贈る言葉」を歌う学校は時代の流れとともに年々減り、管内の中学校では今年度は歌われない。10年ほど前はほとんどの学校で歌われていた「旅立ちの日に」は、当時と比べて落ち着いてきた。

 十勝管内教育研究サークル協議会の中野安博委員長(中札内中校長)は「近年、ポップスはNHK合唱コンクールの課題曲になるなど合唱曲にアレンジされている。子どもたちも意欲的に取り組み、学校としても音楽の良さを伝える魅力的な教材として広まってきた」と昨今の卒業ソング事情を受け止めている。(松田亜弓) 

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  • 卒業式を彩る合唱。子どもたちのまっすぐな思いが会場を感動に包む(昨年3月、第五中学校で)

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