無農薬有機にこだわり1年半 古内孝明さんのバー
オーガニック(有機加工)リキュールを使ったカクテルや、化学調味料を使わない食材のお通し…、お酒を楽しみつつ健康にも気遣う-。そんな珍しい形態のバーが、帯広市の中心街にオープンして1年半になる。店の名は「Energy Bar絶好調」(大通南11)。マスターの古内孝明さん(42)=帯広=が一人で切り盛りする。
カクテルで使用するのはオーガニックリキュールをはじめとする有機素材が主力。「オーガニックを前面に出すバーは十勝でも珍しいといわれている」(古内さん)といい、「カシスオレンジ」(1杯800円)や、エスプレッソコーヒーリキュールと豆乳の「カルア風豆乳」(同900円)などカクテルだけで25種ほどを提供している。
お薦めは3年熟成させた番茶とオーガニックピーチリキュールを使った「三年クーニャン」(同)。古内さんは「(体内にたまった毒素や老廃物を取り除く)デトックス効果があり、何杯飲んでも変な酔い方はしないと女性に人気」とし、「お酒を飲むにしても、体の負担は少ない方がいい」と話す。お通しも化学調味料不使用の自然食材を使うことが多い。
こうしたこだわりは、古内さん自身の経験から生まれたものでもある。前職は飲料製造販売会社の営業マン。札幌を中心に道内の事業所を回り、35歳のときに帯広に。当時は食や健康に全く興味がなく、体重も今より20キロ重く、健康診断でも肝機能の数値が極端に悪く悩んでいた。所属する異業種交流グループでマクロビオテック料理教室主宰の山田千鶴さん(幕別)と出会い、玄米菜食を実践したところ、体重や数値が改善。その後、マクロビオテックアドバイザーの認定を取った。「食が健康に直結していることを身をもって実感した」という。
同時に、人生は一度きりとも感じるように。「人を元気にする場所をつくりたい」。妻の賛同も取り付け、若い頃からの夢をかなえる決心をした。20年余り勤めた会社をやめ、札幌の店での修業や独学でカクテル技術を学び、2014年7月に店を始めた。
異業種交流グループの仲間の紹介などで女性中心に常連客も増え、20人ほど入れる店が満員になることも少なくないという。「とてもありがたい。今後もさまざまなスキルを身に付け、ほっとできる空間を提供し続けたい」とほほ笑む。営業は午後8時~午前2時。月曜定休(今後変更予定)。同店の電話番号は0155・66・7081。
(佐藤いづみ)
◆Energy Bar絶好調について
・Energybar絶好調-Facebook