閉科する帯広農業高定時制、校内新聞作りが活発
2017年度での閉科が決まっている帯広農業高校定時制(岡本幹也校長)で校内新聞作りが活発だ。今年度の「全道高校新聞コンクール」(3日・函館市=道高校文化連盟など主催)では初の優秀賞に輝き、喜びに沸いた。3人の編集委員が日々の学校の出来事を丁寧に記録し、生徒に届けている。
同校定時制の学校新聞「緑園」は、生徒会に当たる「農業クラブ」の機関誌として創刊。長年休刊していたが、定時制の募集停止が決まった翌年の13年に前田翔君(4年)=前編集局長=らの手で復刊した。題字は創刊当時のものを使ったB4判の両面刷り。月1回程度の発行で、復刊から現在までに30号が生徒の手元に届けられている。
全道高校新聞コンクールでは昨年度、初めての出品で奨励賞に輝き、今年度は最優秀賞に続く優秀賞を手にした。今回応募したのは昨年8月から今年7月までの全13号。「レイアウトや紙面構成の質が高く、安定している」と審査員から高く評価された。
昨年11月に編集委員が代替わりし、現在は金田結奈さん(3年)を局長に、早坂拓真君(同)、武藤真紀君(2年)の計3人が編集委員を務める。同校は学校行事が多く「話題にはことかかない」と金田局長。今年度からは早坂君が考案した「定時の2択」がスタート。毎月、全生徒にアンケートを取り、「農高のレタスとチンゲンサイ、どっちが好き?」など農業高校ならではの声を拾い、生徒と距離の近い新聞作りを進めている。
武藤君は「記事を書くのが楽しい。メンバーと過ごす時間が充実している」と話し、早坂君も「全く知らない人にも話を聞きに行けるようになった。取材は楽しい」と笑顔を見せる。
顧問の寺嶋理恵子養護教諭は「『緑園』が生徒同士をつなぐ一つの居場所になっている」と3人の頑張りをたたえる。1年生から編集委員を務める金田局長は「今後も生徒が楽しめる、しっかりとした情報を提供したい」と意欲を見せている。(松田亜弓)