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笑顔もたわわ !念願の町内会産ブドウ初収穫 帯広

「町内会産ブドウ」を前に笑顔いっぱいの子供たち

 甘くておいしい-。帯広の三友中央町内会(宮下陸男会長、会員205戸)が地域の公園でブドウを育て、苗木の植栽から3年目のこの秋、念願の“初収穫”となった。地域の子供に自然に親しむ楽しさと喜びを感じてもらおうと、住民が雑草取りや袋掛けなどの管理に努め、大切に育ててきた。実りの秋を迎え、収穫会では子供たちをはじめ住民の笑顔がはじけた。

 「子供たちに、ブドウがなっているところを見せたかった」。同町内会(西18南3)では宮下会長の思いに会員が賛同し、2013年、柏南第2児童公園内で使わなくなっていた藤棚の周りにキャンベル種3本とナイアガラ種2本の苗木を植えた。同町内会が市から同公園の維持管理を依頼されていたことから、町内会活動の一環として実現した。

 ただ、1、2年目は思うように果実が育たず、野鳥対策なども施さなかったため収穫できなかった。3年目の今年は、同町内会の環境衛生部(佐藤興=おきよ=部長)が月1回の雑草取りや果実への袋掛けなどを徹底。カラスや虫などの捕食を乗り越え、「完全無農薬ながらも50個以上の実を付けた」(佐藤部長)。当初1メートルほどだった苗木は3メートルまで伸びた。

 3年越しの初収穫が9月26日に実現。三友中央子供会(田中ひろみ会長)と合同で収穫会を行い、子供たちが1人ずつ、たわわに実ったブドウをもいだ。黒光りしたブドウを手に子供たちは大喜びで、福永陽向さん(11)=広陽小6年=は「実が大きい」と笑顔を見せた。

 この公園でよく遊ぶ工藤詩織さん(12)=同=によると、「みんなが収穫日を今か今かと待っていた」。甘い香りに誘われて“つまみ食い”したくなる子もいたが、グッとこらえていたという。公園で遊ぶたびにブドウを欲しがっていた片山丞ちゃん(3)は「甘くておいしい」と10粒以上を味わった。

 同町内会によると、実費でブドウを育てている町内会は珍しい。三浦乃々花さん(9)=広陽小3年=と杏奈ちゃん(5)姉妹は「ブドウができる公園なんて他にない。育てた人はかっこいいし、すごい」と大はしゃぎ。子供会の田中会長も「町内の小さい子からお年寄りまで、みんなが一緒に触れ合えるところがいい。ブドウを育ててくださった皆さんに感謝」と頭を下げた。

 宮下会長は「子供たちや保護者の皆さんが、こんなに喜んでくれるとは思わなかった。この日がみんなの良き思い出になれば」と目を細めていた。(関根弘貴)

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  • たわわに実ったブドウを収穫する子供たち

    たわわに実ったブドウを収穫する子供たち

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