影響額185億円と試算 サケ・マス流し網漁禁止で道
【札幌】ロシア200カイリ水域でのサケ・マス流し網漁の禁止法成立を受け、道は26日、道庁内で北海道北洋漁業対策本部(本部長・高橋はるみ知事)の会議を開いた。漁業や関連産業の影響額を約185億円と試算し、漁法転換支援や乗組員の雇用安定などの対策案を決め、国への要請や予算措置を進める。
影響額は7~8月に主に釧路、根室地域の漁協、水産加工業者などから昨年の実績や経費を聴取し算定した。内訳は漁業が33億3000万円、水産加工業が84億9000円、関連産業では運輸業が2億5000万円、燃料などの石油販売業が7億6000万円、関連小売業などのその他が19億円などと見込んでいる。
対策は、漁業、関連産業、雇用、地域振興対策-の4つの柱を設けた。漁業対策では漁法転換による漁船改造や漁具購入などの支援、ホタテやカキなどの養殖、シシャモ、ウニなどの種苗生産施設整備の支援などを盛り込んだ。乗組員や加工業従業員には雇用調整助成金支給や職業訓練などで安定雇用と再就職を図る。
会議は高橋知事や本庁関係部局の幹部が出席し、十勝、釧路、根室の総合振興局・振興局ともテレビ会議システムで結んだ。高橋知事は「サケ・マス流し網漁は東北海道の一大水産業であり、水産王国北海道を守る意識で各振興局、市町村と連携してスピード感を持ち対応を」と指示した。
(原山知寿子)
◆サケマス流し網漁について
・流し網漁についての解説ほか-サーモンミュージアム(マルハニチロ)ホームページ