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空港駐車場「満車」増、3年で5倍 ダブル化拍車

駐車場利用が年々増加しているとかち帯広空港。抜本的な対策が求められている(金野和彦撮影)

 とかち帯広空港の駐車場が“満車”となる日数が、ここ数年で急増している。911台ある常設駐車場の収容能力を超えたのは2014年度22日間で、11年度(4日間)の5倍強に。冬期や大型連休が特に混み、14年度は最大で1日1212台を受け入れた。料金無料という特長のほか、東京線ダブルトラッキング(2社乗り入れ)化で運賃が下がり地域住民の利用が増えたのが要因とみられる。混雑に対し利用者から苦情も寄せられ、有料化導入など抜本対策を求める声も出ている。

 駐車台数が911台を超えた日数は、14年度22日間、13年度20日間、12年度15日間、11年度4日間と推移。混雑の一因に長期(1週間以上)駐車が挙げられ、昨年度の長期駐車台数は1日平均26台、最大で41台だった。年末年始や5月の大型連休、農閑期に当たる秋から冬に掛けての利用が多い。収容能力を超えても、通路や職員駐車場、敷地内の空きスペースを活用し対応している。

 駐車場を利用するのは主に地域住民で、9割以上を帯広ナンバーが占める。帯広空港ターミナルビルによると、観光やビジネス客の使用割合が高い空港連絡バスは、ここ数年微増傾向だが大きな変動はないという。

 駐車場利用は、11年3月のエア・ドゥ参入をきっかけに増加。日本航空とのダブル化実現で運賃低下や便数増など利便性が高まり、市空港事務所は「地元利用が増えたと考えられる」とする。14年度の帯広空港利用者は約57万人。大阪線や名古屋線が運航していた01年度は70万人を超えていたが、駐車場が満杯になる事態はなかったという。

 駐車場対策として市は公共交通機関利用や乗り合いなどを呼び掛け、今年度新たに20台分の駐車スペースを整備する。

 ただ、空港ビル拡充が予定され、大阪線復活など航空路線充実を求める地域要望があり、さらなる空港利用者増加も予想される。関係者からは、有料化も含め検討するべきではとの声がある。

 先の市議会一般質問で駐車場問題を取り上げた大塚徹市議は「対策が後手に回らないよう、早急に手を打たなければいけない」とし、利便性の高い空港ビル正面に立体駐車場を整備して駐車台数を増やし、利用者負担として使用料徴収を提案する。

 実は、1981年3月に供用開始した現在の帯広空港は当初、駐車料金を徴収していた。同年10月にJR石勝線が開業、総合的な料金が安い新千歳空港に利用客が流れたことから無料化した経緯があり、再び有料化するには壁が高いとみられる。

 市は「抜本的な対策が必要との認識は持っている」とし、新たな維持管理業務委託が始まる予定の18年度以降に検討する考えを示している。(池谷智仁)

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