夏の思い出刻む 盆おどり初日にぎわう
「第57回おびひろ盆おどり」初日の15日夜、会場となった平原通(西2条通)は、約1200人の参加者の熱気と、沿道を埋めた市民の人いきれに包まれた。踊り手も観客も思い思いに踊って笑い、それぞれに夏の思い出を胸に刻んだ。(丹羽恭太、大木祐介、菅生佳孝)
中心街に1200人
帯広の夏の風物詩「第57回おびひろ盆おどり」(NCおびひろ、十勝毎日新聞社主催)が15日夜、帯広市内の平原通(西2条通)で開幕した。初日は25団体と個人合わせて約1200人が中心街をにぎやかに踊り歩いた。16日も午後7時から開かれる。
踊りは15日午後7時から、西2条南8・9丁目交差点に設置された特設ステージ上での「北海盆唄」の生演奏とともに始まった。参加者はそれぞれ趣向を凝らした衣装に身を包み、会場を踊り歩いて、大勢の観衆を魅了した。
人気アニメ「妖怪ウォッチ」の衣装で踊る団体や、お菓子を模した山車なども登場し、沿道からは「かわいい」との声も。開始時の気温は19度と肌寒かったが、心配された雨も降らず、観客も参加者も時間いっぱいに祭りを楽しんだ。
16日も午後7時から同8時半まで17団体が踊ってフィナーレを迎え、14日から3日間にわたり行われてきた「第68回おびひろ平原まつり」も幕を閉じる。(大木祐介)
◆子供たちは肩車で観覧も
沿道には幾重にも人垣ができたため、小さな子供たちの多くが抱っこや肩車で踊りを見ていた。
水色の浴衣でおめかしした幕別町の原碧彩(あおい)ちゃん(2)は、生まれて初めての盆踊りを父義博さん(35)の肩の上で観覧。片手にチョコバナナを握りしめながら、見よう見まねでもう一方の手をひらひらと動かしていた。
義博さんも妻千鶴さん(37)も、これまでおびひろ盆おどりを見に来たことはなかったが、「娘がある程度大きくなったので楽しめるかな」(千鶴さん)と、初めて足を運んだ。義博さんは「娘が踊っているのは見えないけど、動いているのは伝わってくる」と、家族で盆踊りを見る幸せを両肩で感じていた。
◆帯広三中1980年度卒業生が初出場
初参加の「三中魂」は、帯広第三中学校の1980年度卒業生の集まり。参加した23人のうち、元担任の丹野寛さん(63)以外は全員50歳。昨年開かれた同窓会で持ち上がった「50歳の記念になることがしたい」という話がきっかけで参加が決まった。
そろいの赤いTシャツの正面には帯広第三中の校章、背面には彼らの誕生年である「1965」と「丹野組」の文字が描かれている。「OBIHIRO三中」と書かれたうちわを片手に明るく楽しく踊った。
代表の菅野純一さんは「冗談だと思っていたことが現実になった。楽しくて良かった」と笑顔だった。
◆目を引くユニーク衣装の父子
個人の部では、個性あふれる衣装の35人が出場した。帯広緑陽高校2年の工藤蓮之将君(16)は、父親と一緒に、仲良く盆踊りに参加し続け、今年で12年目を迎えた。今回は2人そろって花の妖精をテーマにしたカラフルな装いで登場。「最後まで踊りきることができた。またあした(16日)も頑張る」(蓮之将君)と笑顔で話した。
2人の目を引く衣装には多くの人が引きつけられ、踊りが終わった後、記念撮影を求める観客もいた。
◆第68回おびひろ平原まつりについて
・第68回おびひろ平原まつり-公式ホームページ