あす「北野武美術館」オープン 中札内・花畑牧場内
【中札内】タレントで映画監督のビートたけし(北野武)さんが描いた絵を展示する「北野武美術館」が25日、花畑牧場(村元札内東4線)の敷地内にオープンする。たけしさんの作品が常設展示されるのは全国でも初めて。独特な作風の絵が並び、田中義剛社長は「アートをシンボルにする中札内村で新しい観光名所になれば」と話している。
同美術館は、毎年夏季限定で開店していた敷地内の豚丼店「ホエー豚亭」を改装。建物は昭和初期に清水町御影で建てられた馬小屋を運んできたもので、床面積は48平方メートル。展示スペースには照明とスポットライトが取り付けられ、音楽がゆったりと流れている。
たけしさんは1994年のバイク事故でけがを負った後、リハビリを兼ねて本格的に絵を描き始め、フランス・パリなど全国で展覧会を開いてきた。
今回展示するのは、花畑牧場の商品である生キャラメルのパッケージに使用された猫の絵をはじめ、ビルの屋上から見た景色やチョウの羽の絵に人の顔を描いた作品など、たけしさん自身が選んだ約30点。芸術や笑いのエッセンスを詰め込んだ独特の世界を堪能できる。作品には全てタイトルがなく、たけしさんは「見る人の感性で自由に見てほしい」と話しているという。
たけしさんと花畑牧場とのつながりは2010年にさかのぼる。たけしさんの元付き人でタレントのゾマホンさん(駐日ベナン国大使)が母国に建設した「たけし日本語学校」を応援したたけしさんが、同国の農業改革を目指そうと田中社長に協力を依頼した。
田中社長は、優秀な成績で同学校を卒業した2人を花畑牧場で受け入れ、豚や乳牛や飼育を1年間学んだ。こうした縁から、たけしさんは「ベナンとの友好の証に」と、無期限で作品を貸し出すことを快諾した。
田中義剛社長は「ちょっと立ち寄るという感覚で地元の人にも遊びにきてほしい」とPRしている。
同美術館は午前10時から午後3時(季節により変動)。不定休。入館は無料。問い合わせはフリーダイヤル(0120・929・187)へ。
なお、花畑牧場も25日に今季の営業を開始する。
(小寺泰介)