十勝フィン水巧再び活況、ジュニア水泳選手続々加入
フィンスイミングの道内唯一のクラブで、日本代表選手らを輩出してきた「十勝フィン水巧(すいこう)」(阿部由美子代表、芳形真一コーチ)にジュニア選手が続々と加入、活況を呈している。帯広の森市民プール・スインピアでの練習会は2年ほど前には参加者1、2人の時もあったが、現在は小・中・高校生の12選手が所属、体験で参加する選手も多い。競泳の強化も目的に参加した選手は自分の種目で自己新記録を連発するなど「巧みに泳ぐ技術」は十勝の水泳全般のレベルアップにつながっている。選手たちは12月のスインピア記録会などでのデビューを目指している。
同クラブは1998年に活動を始めた。発足時からのコーチ芳形さん(58)が「道具を巧みに操って泳ぐ」ことを目指してクラブ名を決めた。
競技は1枚の大型フィン(縦・横各60センチ)のモノフィンと、2枚のビーフィンを使い、手を頭の上で組みドルフィンキックで進む。水中を息継ぎなしで泳ぐアプニアと、シュノーケルを着けて水面を泳ぐサーフェスなどの種目がある。
日本代表を輩出
発足後のクラブには管内の高校生、大学生、社会人の有力選手が加入、国内・国際大会で躍進し、2006年には尾畑雄平選手(当時・帯柏葉高)貝塚亮選手(同・清水高)がユース世界選手権(ロシア)に日本代表で出場、リレーで日本新を出すなど輝かしい成績を残した。
競泳選手が関心
その後、参加選手は減ったが、一昨年ごろから小・中学生の水泳選手が関心を寄せ始めた。競泳のバタフライで活躍する蝦名愛梨選手(十勝スイミングクラブ、帯二中1年)は「キックを鍛えるために」と昨年1月に加入。その後、出場する全大会でバタフライの自己新を更新した。背泳ぎの姉の麗花選手(同、同2年)も「バサロスタートに役立つ」と同5月、弟の隆星(同、つつじが丘小5年)洸洋(同、同4年)とともに参加した。
スピードに魅力
毎週土曜日午後7時からの練習は技量別に3コースで実施、芳形コーチ1人では手が足りないため、社会人クラブの帯広スイムパル(OSP)選手の井口健作さん(43)が指導補助を務める。選手たちは「ビュンビュン進む」(蝦名愛梨選手)とフィンで進む異次元のスピードを楽しみながら基本フォームの習得に打ち込む。芳形コーチは「意地でもクラブを続ける決意ができた。根気強く練習して大会に出られるようになってほしい」と選手たちに期待している。クラブの連絡先は芳形さん(090・9528・3174)。(横田光俊)
<十勝フィン水巧選手名簿>
石原光季(帯西陵中)蝦名麗花(帯二中)蝦名愛梨(同)蝦名隆星(帯つつじが丘小)蝦名洸洋(同)梶野紗礼(帯大空小)佐藤翔紀(芽室中)佐藤慧斗(芽室南小)清水結斗(帯西小)橋本雄平(中札内高等養護学校)橋本勇輝(帯開西小)青山巧(本別中、4月から本別高)
◆この記事の写真はこちらから購入できます
・十勝フィン水巧再び活況、ジュニア水泳選手続々加入-かちまいフォトサービス