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佐々木42キロ女子V、十勝大平原クロカンスキー大会

42キロ女子を制した帯広クロスカントリースキークラブの佐々木富子。ガッツポーズしてゴールし、喜びを表現した

 クロスカントリースキーの2015十勝大平原大会inおびひろ(実行委主催、十勝毎日新聞社など共催)が1日、帯広市岩内仙峡のTBK・日立オートモティブシステムズ十勝試験場を発着点に行われた。最長の42キロで、女子は芽室町の佐々木富子(帯広クロスカントリースキークラブ)が2時間52分32秒で2年ぶり4回目の優勝を果たした。男子は浦幌町の志賀徹也(航空自衛隊)が2時間6分49秒で35~49歳の2位、全体の3位に入り、十勝勢のトップに立った。招待選手の札幌市の吉田悠真(JR北海道)が2時間1分36秒で総合首位。60歳以上で帯広市の濱田力範(帯広第一病院)が3連覇した。(北雅貴、菊池宗矩)

 28キロの部の男子は、帯広市の三浦浩一(帯広XC-ATH)が1時間26分40秒で35~49歳を制し、総合でも2連覇。女子は音更町の舘山枝利子(帯広XC-スキークラブ)が1位になった。大会は42キロと28キロの競技スキー、10キロと5キロの歩くスキーで実施。性別や年齢別の14部門に605人が出場した。

体調不良押し快走 佐々木、冷静にスパート
 女子42キロは佐々木富子(57)が体調不良にも負けずに、2位に約3分近い差をつけて快勝した。昨年は長野五輪出場の古澤緑選手に敗れ2位。古澤選手が欠場した今回はトップでゴールに戻ってきた。両手を挙げてフィニッシュした佐々木は、昨年より20分遅いタイムには少し不満をのぞかせながらも、「地元の大会で負けるわけにはいかなかった」と喜んだ。

 クロスカントリースキーのほか、道内のマラソン大会に参加するスポーツウーマン。帯広地方卸売市場で働く傍ら、週に1回、帯広の森の運動施設でトレーニング指導員としてストレッチやヨガなどを教えている。

 今季は本調子ではない。昨年6月にマラソンのための自転車トレーニングで転倒。左肩付近の鎖骨を折るけがを負った。今でも左手は力を込めて動かせない上、2月22日にオホーツク管内湧別町などで行われた湧別原野オホーツク100キロ大会の85キロの部に出場。疲労が回復しておらず、風邪も引いて平熱より高い状態で臨んだ。

 「とにかく元気でゴールしよう」と、慎重に平均的なペースを刻み、女子の1位を保ち、最後の3キロでスパートした。2位に入った札幌市の佐藤さおり(45)は以前、帯広クロスカントリースキークラブに所属していて、後半に強いことを知っていた。「追い上げられると思ったのでスピードを上げた」と冷静だった。苦手意識のある登り坂も無難に乗り切った。

 今季のスキーは今大会で最後。これからはマラソンの練習に入る。佐々木は「けがを治し、体調を整えて頑張りたい。来年のスキーも優勝を狙う」と、力強く宣言した。

三浦、我慢実らせ連覇 28キロ男子35~49歳
 28キロは男子35~49歳に出場した三浦浩一が力強い滑りで2位以下を大きく引き離し、昨年に続く総合優勝。「うれしいです」と声を弾ませた。

 42キロを滑る先頭集団に食らいついていった。日なたで雪が解け、滑りづらい場所もあったが我慢した。気が付くと、周りには同部門のナンバー1100番台はいなくなり、勝利を確信した。

 陸上自衛隊第1対戦車ヘリコプター隊(帯広駐屯地)に所属。この冬は隊の訓練のため十分なスキー練習はできなかったが、それでも日常の訓練の他、週末にはポロシリ自然公園(帯広)での練習で力を維持してきた。

 毎年多くの大会に出場してきたが、今シーズンは仕事のため大規模な大会は最初で最後。それでもきっちりと照準を合わせ、結果を出した。「来年も出てもう一度優勝を」と決意を語った。

招待選手の吉田涼しい顔で圧勝
 男子42キロは招待選手の吉田悠真(24)が、圧巻の滑りで快勝した。ゴール後も息一つ乱れず、「調子は良かった。なだらかなコースでとても気持ちよくレースができた。楽しかった」と、涼しい顔で振り返った。

 旭川市出身。日大2年の2011年、ユニバーシアード冬季競技大会に日本代表で出場、同大会男子30キロフリーで9位に入り、今季の群馬国体で北海道代表に選ばれた。将来の日本代表入りの可能性もある実力者だ。

 上川管内音威子府村で3月17日に開幕する全日本選手権大会には、50キロの部で参戦する。「良いイメージを持って臨める。上位入賞を目指したい」と意気込んでいた。

志賀、好敵手にかわされ苦笑い
 42キロの志賀徹也は男子35~49歳で管内勢最高の準優勝。総合でも3位に入ったが、長年のライバル杉山義宣(恵庭市)に最後でかわされ「杉山さんには勝ちたかった」と苦笑いを浮かべた。

 招待選手の吉田悠真に20キロまでついて行くことができた。「後はどれだけバテないか」と粘ったが、残り4キロで杉山に追い付かれた。スプリント勝負に考えを切り替えたが、スパートを仕掛けた杉山に約1分及ばなかった。

 昨年は総合優勝。「地元で(トップの座を)取りたかった」と満足はしていない。来年の巻き返しを誓った。

足寄の吉川一家6人笑顔の完走
 足寄のありがとう牧場の吉川友二(50)は妻千枝(43)、長男の元(11)、長女笑里(10)、次男仁里(9)、三男光里(7)の家族6人で各部門に参加、一家で完走した。

 屋外のスケートリンクが2月中旬には使えなくなり、その後家族で楽しめるスポーツをとクロカンスキーを始めて3年目。家族そろっての今大会出場は2回目だ。最長の42キロに挑戦した友二は大会運営スタッフに感謝しながら「頑張りました」と汗をぬぐった。

退職を機に挑戦
28キロ女子優勝の舘山枝利子の話

 65キロのとき3、4回出ているが28キロは初めて。結果は大変満足している。ここ数年はボランティアで支えたが、昨年の退職を機にチャレンジしようと思った。


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