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女子500浅野初優勝、小野塚1年生V道高校スケート

【女子500メートル】1回目で唯一の41秒台に乗せて優勝した帯南商の浅野実久

 【苫小牧】スピードスケートの第67回北海道高校選手権大会兼第66回道体育大会冬季競技会兼第70回国民体育大会冬季大会北海道予選会(道高体連など主催)第1日は21日、苫小牧市ハイランドスポーツセンターで行われ、午後からは男女500メートルを実施した。高校女子は浅野実久(帯南商3年)が初優勝を果たした。浅野は1回目に41秒84で首位に立ち、2回目は3位の42秒52だったが、合計で2位の佐藤真由(釧路江南3年)に0秒77差をつけて制した。川村聖亜(白樺学園2年)が3位に入った。

 男子は辻本一史(帯農3年)が十勝勢最高の2位、1回目首位の水野正也(芽室3年)も3位で表彰台に上った。2連覇を狙った山田将矢(池田3年)は5位に終わった。1位は新濱立也(釧路商3年)。男子は2~8位、女子は1位と3~8位を十勝勢が占めた。第2日の22日午前は男子5000メートルを行い、小野塚宏次郎(白樺学園1年)が7分12秒78で制した。1万メートルとの2冠を狙った大竹拓三(駒大苫小牧3年-芽室中出)は7分17秒55の2位。(北雅貴、塩原真)

表彰台で笑顔を見せる帯南商の浅野実久

慣れぬ屋外「良い経験」
浅野、集大成へ着実

 女子500メートルは浅野実久が危なげない滑りで頂点に立った。「屋外リンクは苦手というよりも、慣れていない」と話す浅野にとって、来年1月22日に山形市で開幕する全国高校総体(インターハイ)へ向けて「もっと差をつけて優勝したかったけど、良い経験にはなった」と笑った。

 2回目のスタートは、これまでの選手が滑って削った氷が自分に向かって飛んでくるほどの強い向かい風。思わず姿勢を低くし過ぎたことで体が少し動きスタートラインを踏んでしまいやり直しに。アウトスタートで、バックストレートでは同走選手を追う有利な展開だったが、追い風に押され、コーナーでは本来の動きができなかった。

 今季はこれまでの課題だったコーナーワークを意識している。春からチューブを使ったトレーニングを行い、氷上では足首の角度や重心の位置など細部にこだわって取り組んできた。10月下旬の全日本距離別選手権の500メートルでシニアのトップ選手に交ざって10位に入り、11月のジュニアワールドカップを制すなど「この3年間で一番思うように滑られているシーズン」と手応えをつかんでいる。「高校生活の集大成」のインターハイ優勝に向けて、着実に進んでいる。

【男子500メートル】2本とも安定した滑りで2位になった帯農の辻本一史

辻本安定 自己最高位
実結んだ地道な練習

 2本とも安定した滑りを見せた辻本一史は、表彰台で笑みを浮かべた。2回目は100メートルを2位で通過するなど「全体的にキレのある滑りができた。2位は初めて」と喜んだ。道内勢が上位を占めた2月の全国高校選抜では3位と初の表彰台に上がったものの、山田将矢の転倒もあり「自分の実力ではない」と控えめだっただけに、今回はうれしそうだった。

 最終学年の今季は短距離のリーダーを務める。後輩の手本にならなければと誰よりも熱心に練習に取り組み、「疲れの取れ方が違うから」と終了後のダウンでさえも気を緩めない。全日本距離別選手権にも初出場。帯農出身でインターハイ覇者の後藤卓也(日大2年)と同じ組で滑り大舞台も経験した。コーナーでの滑りなど技術だけでなく精神面でも成長した。

 距離別やジャパンカップの大きな大会での疲れや、大学受験などで1週間ほど前までは練習量も少なめだった中での自己最高位。1年ごとに成長を続ける。専大への進学も決まった。大学3年時に韓国・平昌(ピョンチャン)五輪を迎える。「去年までは全く考えていなかったけど、五輪を目指して頑張りたい」と、はにかみながらも強い決意を見せた。

【男子500メートル】1回目をトップタイムで滑り終えた芽室の水野正也。合計タイムでも3位に入賞した

1回目トップ飛躍へ手応え 水野
 水野正也は1回目1位の滑りでトップタイムの37秒67をたたき出した。「今季は高校に入ってから一番調子が良く、手応えがある」と充実している。

 アウトスタートで最初の100メートルは3位の10秒25。コーナーもスムーズだった。バックストレートは松本健太(白樺学園2年)を追い、さらに勢いに乗った。

 2回目は高校で初となる最終組での登場。「緊張して力が入った」と最終コーナーでバランスを崩し優勝を逃した。「2本そろえられないのが今の実力」と苦笑いした。

 前任校の池田で五輪銀メダリストの長島圭一郎(日本電産サンキョー-日大出)や及川佑(大和ハウス工業-山梨学院大出)を指導した野村昌男監督の下で、こつこつと力を蓄えてきた。「あと1カ月、しっかりと練習したい」。来年1月下旬のインターハイでのさらなる飛躍を誓った。

「何を直せば…」V逸に首ひねる 山田
 「何をどうやって直せば良いのか分からない」。盤石と思われた優勝を逃した山田将矢は首をひねった。

 嫌な予感はあった。先月に行われた高速リンクのカルガリー(カナダ)でのジュニアワールドカップでは調子が良く、35秒81の自己ベストを更新。ただ帰国後に「ここまで悪くなったのは初めて」というスランプに陥った。

 2回目は2位と意地は見せたが、「重心移動ができていない。姿勢も高く力が上に逃げてしまっている。分かっているのですが…。屋外リンクでごまかしも利かなかった」。昨季のインターハイ覇者が試練に直面している。

<道高校選手権>(21日・7位以下関係分)
【男子】
▽500メートル

日本高校記録 加藤条治(山形中央)34秒88
道高校記録  小原唯志(白樺学園)35秒24
大会記録   後藤卓也(帯農)36秒39
リンク記録  小原唯志(日本電産サンキョー)35秒90

(1)新濱立也(釧路商)75秒58((4)38秒16(1)37秒42)
(2)辻本一史(帯農)75・93((3)37・93(4)38・00)
(3)水野正也(芽室)76・17((1)37・67(5)38・50)
(4)町光二郎(帯柏葉)76・33((7)38・42(3)37・91)
(5)山田将矢(池田)76・36((8)38・59(2)37・77)
(6)松本健太(白樺学園)76・43((2)37・90(6)38・53)
(7)松井大和(鹿追)77・05((5)38・31(7)38・74)
(8)榊原一輝(帯南商)77・20((6)38・39(8)38・81)
(10)下坂明彦(帯三条)78・60((11)39・64(10)38・96)
(11)石川斗来(白樺学園)78・65((10)39・53(12)39・12)
(13)齋藤尚吾(池田)79・24((15)40・18(11)39・06)
(14)水野達喜(帯三条)79・66((12)39・70(14)39・96)
(15)及川忍(帯農)81・03((17)40・75(15)40・28)
(16)青木雅弥(池田)81・12((16)40・26(17)40・86)
(17)鈴木幹太(帯三条)81・31((14)40・09(18)41・22)
(20)仲陽生(白樺学園)83・52((21)41・89(19)41・63)
(21)多田祐希(帯農)83・77((20)41・76(21)42・01)
(22)長崎翔(帯工)85・55((23)43・15(22)42・40)

【女子】
▽500メートル

日本高校記録 高木 美帆(帯南商)38秒75
道高校記録  高木 美帆(帯南商)38秒75
大会記録   神谷衣理那(白樺学園)40秒01
リンク記録  于静(中国)39秒25

(1)浅野実久(帯南商)84秒36((1)41秒84(3)42秒52)
(2)佐藤真由(釧路江南)85・13((2)42・15(7)42・98)
(3)川村聖亜(白樺学園)85・50((4)43・15(2)42・35)
(4)宇佐見鈴音(帯農)85・64((3)42・95(5)42・69)
(5)延与のどか(芽室)86・16((12)43・98(1)42・18)
(6)持田あかり(白樺学園)86・45((7)43・59(6)42・86)
(7)冨田夏未(帯農)86・49((10)43・85(4)42・64)
(8)虫狩光桜(池田)86・86((5)43・16(11)43・70)
(9)上鹿渡双葉(帯柏葉)86・98((9)43・73(9)43・25)
(12)原茉畝(帯三条)87・51((6)43・32(12)44・19)
(14)能戸若菜(白樺学園)88・96((14)44・60(13)44・36)
(15)延与ひより(池田)89・08((15)44・62(15)44・46)
(17)齋藤萌(同)89・88((16)44・68(18)45・20)
(18)嶋木葵(帯農)90・58((18)45・52(17)45・06)
(19)森夏々子(帯南商)92・23((19)46・75(19)45・48)

<国体道予選>(21日)
【女子】
◇500メートル
◇少年

(1)佐々木美里(白樺学園)89秒43((1)44秒52(1)44秒91)
(2)田中 姫麗(白樺学園)90・50((3)45・33(2)45・17)
(3)汲田 理沙(池田)91・00((2)45・01(3)45・99)


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