動物と触れ合う 自分と向き合う「PAS星の森」 まちマイ中札内編
札内川河畔の林に囲まれた牧草地にある「PAS星の森」(村西札内47)。人間関係などに悩む人たちが、ときに語り合い、ときに動物と触れ合いながら自分と向き合うスペースだ。
2000年に誕生した同施設は、元高校教師の大西慶子さん(56)らが「子供たちに学校以外のもう一つの居場所を」との思いで設立した。不登校などの悩みを抱えた子供たちが、馬や牛、犬、猫などの動物と触れ合いながら自由に学べる場所を目指してきた。自主性を重んじる「デモクラティック・スクール」の設立も視野に入れていたが、制度上の壁もあり断念。現在はカウンセリングと動物介在活動(アニマルアクティビティ)、学習サポートの3本柱で活動を続ける。
カウンセリングでは大西さんが、心理学の一種「選択理論心理学」をベースに人間関係や自己コントロールについて相談に乗る。特に教育や親子関係などの問題に対しては、長年教育に携わってきた大西さんの経験に裏打ちされたアドバイスを受けられる。
動物介在活動は乗馬を中心に、犬や猫とも触れ合うことができる。施設のシンボルにもなっているヤチダモの巨木に抱かれながら動物と過ごすことで、心が安らがない人は少ない。ただ、残念ながら今月に入って馬が死に、乗馬は休止中。大西さんは「犬や猫などとの触れ合いがホッとすることにつながるのに対し、活動的になったり、自信につながったりするのが馬の効果。良い馬に巡り合って乗馬を再開できれば」と話す。
学習サポートでは、小・中・高校の教科学習や通信制高校のレポート作成、高校認定試験受験などのサポートをする。
大西さんは「目指していたデモクラティック・スクールのような形でも、今の1対1の関わり方でも、最終目標はその子供の自立。保護者も子供も元気になって、最終目標に向かって少しでも良い方向に変われるよう、一人ひとりとゆっくり関わっていきたい」と話している。
施設の詳細はホームページ「PAS星の森」で参照。
(丹羽恭太)
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