押切、高木選手に声援 ソチ五輪スケート女子1500メートル
初舞台に思いよ届け
十勝出身で同い年の押切美沙紀選手(21)=富士急-駒大苫小牧高、中札内中出=と高木菜那選手(21)=日本電産サンキョー-帯南商高出=が出場した16日のスピードスケート女子1500メートル。押切選手が日本人最高の22位に入るなど健闘した。現地ソチの観客席では2選手の両親らが緊張した面持ちで応援。また、出身地中札内村や幕別町でもパブリックビューイングが行われ、日の丸の小旗などを手にした地元関係者が、「ソチに届け」と熱い声援を送った。
緊張瞬間も「感無量」 両選手家族現地で声援
【ソチ】バックストレートの観客席には、押切美沙紀選手(21)=富士急-駒大苫小牧高、中札内中出=の父敏則さん(50)、母春美さん(47)=中札内村=、祖母高橋令子さん(71)=帯広市=が陣取り、他の日本選手の応援団とともに声援を送った。
押切選手は日本勢トップの6組で登場。父母らは緊張の面持ちで滑りを見つめた。春美さんは「娘にソチに連れてきてもらいましたが、(ここにいるのが)信じられない気持ち。緊張していたと思いますがよく頑張ってくれた」とねぎらった。高橋さんも「感無量です」と孫の勇姿に目を細めた。
また敏則さんは、周囲の応援に感謝しながら、「普段とは違うこの雰囲気が五輪なんですね。今度は(ボブスレーの妹麻李亜さんと)姉妹で出られれば」と、次回五輪への希望を語った。
近くには高木菜那(21)=日本電産サンキョー-帯南商高出=の父愛徳さん(56)、母美佐子さん(50)=幕別町=も座り、小旗を振って見守った。
愛徳さんは「緊張しないわけないですよね。小さな体で」と高木選手を気遣いながら、「オランダのための大会になってますね。何とかしなくちゃいけないですよね」と日本スピードスケートの再びの隆盛を期待していた。
両選手はまだ団体追い抜きが残っているが、両選手の両親はともに18日に帰国する。
次は一緒に 妹が決意 押切選手地元の中札内でPV
○…押切選手の故郷、中札内村では午後11時から村文化創造センターでパブリックビューイング(応援する会主催)が行われ、押切選手の妹、麻李亜さん(19)ら約100人が集まり、声援を送った。
麻李亜さん自身、ボブスレー選手で国際大会に出場しているホープ。前日に電子メールでエールを送ると、「頑張るよ。次の平昌冬季五輪(韓国)は一緒に行こうね」と返事が来た。レースに声援を見守った後、麻李亜さんは「後半頑張って、負けず嫌いな姉らしい、根性のレースができていた」と分析。「次は一緒に出られるよう私も頑張りたい」と話していた。
中学校時代の恩師、笹木邦真さん(43)は「美沙紀らしい粘りで、最後の一周は苦しい中でもよく体を動かしていた」とたたえた。田村光義村長は「よく頑張った。応援で村民が一体になる場をつくってくれた選手たちと関係者に感謝したい」と話していた。
(大笹健郎)
全力出し切った高木選手たたえ 幕別で100人
○…午後10時50分から幕別町百年記念ホールで行われたパブリックビューイングでは、うちわや旗を持った岡田和夫町長ら約100人がテレビ画面を見ながら応援した。
応援する会(柿崎俊男会長)主催。高木選手の兄で札内中(幕別)に勤務する大輔さん(23)や、帯南商高時代の指導者で現在もスケート部監督の東出俊一さん(57)ら同高の5教諭が駆け付けたほか、十勝総合振興局の係長「ぶたどんまん」も会場を訪れ、レースを見守った。
大輔さんは「少し気負いすぎた面もあるが、全力を出し切った」と初の大舞台に立った妹を気遣った。東出教諭も「気持ちを切り替え、パシュートに全力を注いでほしい」と期待を込めた。
試合前に友人らと寄せ書きの旗を作り、高木さんの両親に託した高校の同級生、清水町の藤野路瑠さん(21)=会社員=は「格好良かった」と笑顔、岡田町長も「一生懸命な滑りだった」とたたえた。(佐藤いづみ)