長島、及川両選手を300人が応援、池田のパブリックビューイング
【池田】「行け、行け」-。ソチ冬季五輪第4日の10日、スピードスケート男子500メートルに池田町出身の長島圭一郎、及川佑両選手が出場し、地元の池田町では両選手の応援に沸いた。4年前のバンクーバー五輪で銀メダルを獲得した長島選手。1本目の滑りで3位に入り、町田園ホールで行われたパブリックビューイング(PV、町主催)では2大会連続のメダルに期待が高まった。結果は長島選手は6位、及川選手は15位に終わったが、「2人とも持ち味を発揮し、見事な滑りだった」と健闘をねぎらった。
PV会場では約300人が訪れ、ステージ上の大スクリーンに映し出される映像を見守った。1本目の長島選手の滑りでは、スタートとともに日の丸の小旗が振られ、「行け」「行け」の声援が飛び交った。後半のコーナーでバランスを崩したが、好スタートを切り、「コーナーワークの美しさは世界一」といわれる巧みな滑りを見せ、3位のタイムに会場は沸いた。
長島選手の後輩の池田高校スケート部の山澤清楓さん(2年)は「メダル圏に入った」、同高OBの中島泰伸さん(69)は「1本目3位は、いい位置だ」と声を弾ませ、念願の金メダルへ期待が膨らんだ。
2本目では会場は総立ちになり、スタートの号砲とともに声援が一気に上がり、興奮の熱気に包まれた。しかし、思うようなタイムが出ず、6位という結果に。長島選手が在籍した利別スケート少年団コーチの三宅賢一さん(43)は「(メダルを独占した)オランダ勢が強すぎた。2本とも悪い滑りではなく、子供たちにも伝わるはず」、池田高の田中俊一郎校長も「残念だった」と惜しんだ。
池田高スケート部の部員を長年にわたって受け入れている下宿業の名久井静子さん(76)は「悔しいけれど、滑りは良かった」と健闘をたたえた。
長島選手の父勝二さん(66)は、次女で長島選手の姉川村麻美子さん(35)一家と会場で応援。「この4年間、けがなどで苦しんでいるところも見てきた。よくここまできた。素晴らしい滑りだった」と涙をぬぐいながら長島選手の労をねぎらった。(平野明、小寺泰介)