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直木賞に池田出身西條さん 「心淋し川」 三条高卒、十勝初の快挙

直木賞受賞が決まった池田町出身の西條さん(撮影/冨永智子)

 【東京】第164回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日午後、東京・築地の新喜楽で開かれ、直木賞に西條奈加さん(56)=池田町出身=の「心淋(うらさび)し川」(集英社)が選ばれた。十勝出身作家の同賞受賞は初めて。

 直木賞は西條さんら初候補者6人による混戦となった。「心淋し川」は、小さくよどんだ川が流れる江戸・千駄木町の「心町(うらまち)」が舞台の時代小説。さまざまな理由を抱え、その川のほとりの貧乏長屋に住み着いた人々の人間模様をつづった。表題作など全6話の連作短編。

 西條さんは1964年池田町生まれ。父親の転勤で帯広市や音更町などで過ごし、音更下音更小、下音更中、帯広三条高校卒。地元の民間企業に勤めた後、東京の専門学校に進み、会社員だった30歳前後から小説を書き始めた。

 2005年「金春屋ゴメス」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年「涅槃の雪」で中山義秀文学賞、15年「まるまるの毬」で吉川英治文学新人賞。20年1月から8月まで、十勝毎日新聞に連載小説「婿どの相逢席(あいあいぜき)」が掲載された。

 道立文学館(札幌)によると、十勝管内出身の作家による直木賞受賞は初めて。道内出身では馳星周さん(日高管内浦河町生まれ)の「少年と犬」が受けた163回から連続受賞になった。

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