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気象予報を取り入れ早期にピタリ予測!飼料用とうもろこしの収穫適期 (研究成果名:メッシュ農業気象データを利用した飼料用とうもろこし 収穫適期予測システム)

道総研 酪農試験場 飼料環境グループ

1.試験のねらい
 北海道内の飼料用とうもろこしを適期に収穫するために、当年の気象データに基づき乾物率の推移および収穫適期を予測する収穫適期予測システムを開発する。

2.試験の方法
1)既存の生育モデル※とメッシュ農業気象データを組み合わせて、生育モデルを持たない品種の乾物率の推移および収穫適期を予測する方法を開発し、その方法の現地適合性を評価する。

2)既存の生育モデル※、1)で開発した北海道統一 RM を用いた乾物率推定方法およびメッシュ農業気象データを組み合わせて乾物率の推移および収穫適期を予測する仕組を Excel 上で動作するシステムとして構
築する。
 ※既存の生育モデル:「飼料用とうもろこしの利用方法別安定栽培マップと新しい早晩性指標の開発」(平成28年度指導参考事項)で作成した絹糸抽出期および乾物率を推定する生育モデル。

3.成果の概要
1)-(1)従来から利用可能であった気象データ(過去値+平年値)、メッシュ農業気象データ(過去値+予報値+平年値)の各々を生育モデルに適用して予測収穫適期日を比較すると、14および7日前の誤差は後者で約1日小さく 、 7日前の誤差は0.5日未満となることから実際の収穫適期日を早期に予測可能と考えられた(図1)。

1)-(2)生育モデルを持たない品種の乾物率は、生育モデルを持つ品種の乾物率を推定し、その値を北海道統一 RM を用いて補正することにより概ね推定可能で、観測値と推定値の差は総体乾物率で平均2.7ポイント(最小0.0~最大10.3ポイント)、雌穂乾物率で平均2.4ポイント(最小0.0~最大7.7ポイント)と、実用的な精度を有していると考えられた(表1)。

1)-(3)生育モデルにメッシュ農業気象データを適用し、北海道統一 RM を用いて補正することにより現地生産者圃場においても乾物率の推定が可能で、観測値と推定値の差は総体乾物率で平均2.7ポイント(最小0.0~最大13.3ポイント)、雌穂乾物率で平均3.0ポイント(最小0.0~最大22.7ポイント)、子実乾物率で平均1.3ポイント(最小0.1~最大3.2ポイント)と、概ね実用的な精度を有していると考えられた(表2)。

2)既存の生育モデル、1)で有用性が確認されたメッシュ農業気象データおよび1)で開発した北海道統一RM を用いた乾物率推定法を組み合わせて、任意の地点に作付けされた北海道優良品種について乾物率の推移および用途別の収穫適期を表示する収穫適期予測システムを開発した。システムは乾物率の推移と合わせて予測を行った日以降9日間の予報降水量も表示する(図2)。

4.留意点
1)圃場での登熟状態の確認と併用することで TMR センターやコントラクター等の大規模作業体系および広
域作業体系において効率的な収穫に向けた作業計画策定に活用できる。

2)対象地域で適期収穫可能な品種の選定および播種日決定に活用できる。

3)北海道統一 RM が明らかな品種の無マルチ栽培において適用できる。

4)システムは希望者には無料で配付するが、利用にはインターネット接続環境、Microsoft Excel(Windows版、2010以上)およびメッシュ農業気象データ(農研機構)の利用者登録が必要である。

5)システム開発にあたっては「国土数値情報3次メッシュに対応した農業用気象データを取得するプログラム(農研機構)」を用いた。







詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研酪農試験場 草地研究部 飼料環境グループ 牧野 司
電話(0153)72-2842 FAX(0153)73ー5329
E-mail:makino-tsukasa@hro.or.jp

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