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ニホンザリガニ台風に負けず まちマイ清水編

ニホンザリガニを採取し、生息数や環境を調査する清水高校の生徒(10月31日)

 昨年8月に台風災害に遭った清水で、氾濫した川にすんでいた生き物たちはどうなったのか? 清水高校総合学科の生産技術系列産業分野(根本有治教諭)の3年生12人が、現地調査を行い導いた結論は「生き物たちの生命力は想像をはるかに超えていた!」。

 酪農学園大と提携する同校は2008年から環境学習として、町内のペケレベツ川水系で絶滅危惧種ニホンザリガニの調査を続けている。きれいな水にすむニホンザリガニと農業を関連付けて農産物のブランド化を提案。アイヌ語の「ペケレベツ(清い水の流れるところ)」に由来する町名を証明する取り組みとして注目を集めた。

 同校は台風による浸水域から北に約500メートルの地点。災害のニュースは生徒の胸にも刺さった。同時に「浸水地域でニホンザリガニは生き残ったのか」と思い、昨年9、10月と、今春から10月までの月1回、生徒たちは川に通った。約35メートルの区間を調査地点とし、ザリガニを採取して過去データと比較、生息する水生昆虫の種類も調べた。

 結果、昨年9月は爪や脚が欠損した個体が多かったが、前月比43匹増の215匹を採取。今年の4~10月も、前年比で207匹増の668匹を確認し、きれいな川にしかいないとされるトビゲラ、カワゲラ、カゲロウの幼虫も見つかった。生徒の井上洸輝さんは「石などが流れて来て環境が変化し逆にすみやすくなったと想像できる。水質も守られているのではないか」とみる。

 「大人になって自然環境を大切にしたり、生物の保護を考えるきっかけにしてほしい」と根本教諭。地元から通学する小野寺寛さんは「災害で苦しんだ中での明るいニュース。きれいな水はまちの誇り」と話している。(小寺泰介)


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