真冬の停電 備えは? 幕別で2時間超 住民一時避難
【幕別】幕別町の一部地域で2日午後、約220戸で停電があった。2時間10分後に復旧したが、町は近くの町民会館に避難所を設けて2家族3人の住民を受け入れた。同町によると、停電による避難所の開設は例がないといい、同町町民課の山岸伸雄課長は「冬期間で暖房エネルギーが確保できないと判断した」と話している。
停電は2日午後3時半ごろ、町内の寿町と錦町の一部223戸で発生し、同5時40分ごろに全面復旧した。避難所は本町144の町民会館に設けた。
北電帯広支店によると、原因は高圧電線の被覆が損傷したため。3本の高圧電線のうち、1本がたるみ、強風などで支線と接触してこすれ、ショートしたという。たるみの原因は調査中。
午後4時すぎに一部復旧したが、寿町の114戸は停電が続いたため、町は同4時45分から同7時まで避難所を開設した。
避難した町内の女性(89)は「家では寒くて布団にくるまっていた。避難所は暖かくて安心した」と話していた。(佐藤いづみ)
/発電機、避難計画も 管内自治体/
冬の停電ではストーブが使えなくなり、住民生活への影響が心配されるだけに、停電で影響を受けた管内自治体では、万一に備えて体制を整えつつある。
過去に大規模な停電が起きた陸別町では2013年12月に停電マニュアルを策定した。復旧の見通しが立たない場合、対策本部を設け、住民を地域の会館や役場近くのタウンホールなどに避難させる。
停電用の備品もそろえ、持ち運びができる発電機5台を導入した他、ポータブル灯油ストーブ、ガスストーブ、毛布などの購入も進めている。陸別町は「冬の日没後の冷え込みが急激で、暖房のない冬の生活は考えられない」と話す。
浦幌町では、釧路管内に隣接する厚内地区への北電の高圧送電線が1回線しかなく、13年2月の地震で厚内地区が停電した。町は大型発電機を購入し、厚内を含む町内4公民館と総合スポーツセンターで大型発電機を使えるよう改修工事を実施。ポータブル灯油ストーブも約30台そろえた。
広尾町も「停電状況によっては避難所も設ける」としており、各自治体は対策を検討している。(平野明)