オーラルフレイル~健康は歯と口から 6月4~10日啓発週間(中)
かむ力弱まり 心身へ負の連鎖
めむろだいいち歯科クリニック 今井崇院長
オーラルフレイルとは、口腔(こうくう)=オーラル=の虚弱(フレイル)を表す言葉で、主に滑舌や食の機能が低下することです。主に加齢による筋力低下と、歯の喪失が原因となります。
ものを食べるには、「かむ力」と「飲み込む力」が必要ですが、加齢によって口周りの筋力が低下し、歯の本数が減少すると、この二つの力が弱くなり、オーラルフレイルに陥るのです。
口腔機能が低下すると、低栄養になり筋力の低下など全身的な機能低下に陥ることもあります。滑舌が悪くなり、食べこぼしが増え、かめない食品が増加するなどの症状が徐々に表れます。
例えば、歯の喪失によりかめない食品が増えることで、食への欲求・関心が減少し(オーラルフレイルによる「心身機能」の低下)、それまで楽しみだった家族や友人との外食がおっくうになり、自宅でばかり食事をするようになります(オーラルフレイルによる「社会性」の低下)。口腔機能の低下は患者さんの精神的・社会的な側面にまで影響をおよぼすことがあります。
このような“負の連鎖”に早めに気付くための重要なサインとしてオーラルフレイルは近年注目されています。オーラルフレイルに早く気付くためにもセルフチェックをしてみましょう!
日本歯科医師会のホームページには「オーラルフレイル対策のための健康体操」のページがありますのでこちらもご覧ください。