帯工 全道ロボット大会で初優勝 2年連続で全国へ
道内の工業系高校などが競う「北海道高校ロボット競技大会」(8月25、26日、札幌市)で、帯広工業高校のチーム「To勝(とかち)」(中村粋進=きしん=班長)が優勝を果たした。ロボット設計、組み立て、操作で高いレベルの技術を発揮し、同校のチームとしては初の全道優勝の快挙。2年連続で全国大会(10月、福井県)の切符をつかんだ。(澤村真理子)
メンバーは3年生の中村班長と鈴木晴大さん、テキソエトゥート一樹さん、1年生の本迫翔剛さんと和田健太郎さんの5人。同校の部活動「工業技術部」のロボット競技班のメンバーでつくった。全道大会は北海道工業高校長会などが主催。工業系や工業クラブを持つ10校から13チームが出場した。
“発掘”正確さ競う
競技は全国大会開催地の福井県にちなんだ設定で行われた。リモコン型ロボットが「恐竜化石」に見立てた大小のペットボトルやテニスボールを“発掘”。それを自立型ロボットが「東尋坊」などと名付けられた各エリアを行き来きしながら、指定場所に運び置いた。競技時間は3分間で、化石を正確に設置したり、指定場所で自動停止したりすることで得点が加算された。
4月に大会概要が示され、ロボットの設計に着手。昨年に比べて、今年の課題に対応するには複数の機構(ロボットを形作るパーツ)が必要となり、夏休み中も作業に取り組んだ。朝8時から夕方6時まで費やしたこともあった。改良を重ねて大会2週間前に完成させ、教室内に本番と同じ縦約2・7メートル、横約3・6メートルの競技コートを作り、練習してきた。
大会は各チーム2回挑戦し、得点の高い方が成績となる。「To勝」の1回目の得点は128点で、富良野緑峰と同率1位で終えた。2回目は大きいペットボトル(700ミリリットル)をつかんで回転させて高さ1・5メートルの指定場所への設置を成功させ、計210点を獲得。2位(140点)と大差で優勝を決めた。ペットボトルの設置は出場校で唯一成功し、会場が沸いたという。
全国大会には3位以上が出場できるため、昨年は同校が2、3位を獲得して2チームが大舞台に出た。今回は念願の初優勝。同校のもう1チームも7位に入るなど、帯工の技術の高さを見せた。
全国の舞台に向け、鈴木さんは「確実に同じ動作を繰り返すことができるロボットになるよう、調整を続けていきたい」、テキソエトゥートさんは「練習では何度も成功していたのに、緊張とプレッシャーで操縦ミスがあった。プレッシャーに打ち勝ち、ロボットのポテンシャルを全て発揮できるようにしたい」と意気込む。
全国大会と大学受験の日程が重なり、大会出場を見送る中村班長は「ぼくは出られなくてもロボットは出られる。ぎりぎりまでサポートしていきたい」と話している。
帯工チームが全道ロボット大会で初V 2年連続の全国へ