作り手と出会う「市場」 十勝ファーマーズマーケット、今季あと3回
7~9月に月2回 食や雑貨「日常溶け込む文化に」
十勝の農産物や加工品を販売する「十勝ファーマーズマーケット」が7~9月の第2、4土曜日、帯広市内の緑ケ丘公園で開かれている。スタートから7年、自然あふれる空間で作り手と買い手をつなぐ「市場」として定着している。(大海雪乃)
多い日は70店
クナウパブリッシング(帯広市)とウエカルパ実行委員会が共催。2017年に始まり、コロナ禍の中止も乗り越え、年6回開催している。発案した同社の湯川大輔次長(47)は大阪府出身で、結婚を機に十勝に移住。野菜のおいしさに驚き、地元の人にスーパーとは違う、気持ちのよい空間で買い物をして、食べてもらいたいと考えていた。飛行機の機内誌で紹介されていたハワイのマーケットの写真を見て、緑ケ丘公園が目に浮かび、市の協力も得て開催にこぎつけた。
野菜の直売や菓子、パンなどの飲食のほか、手作りのアクセサリーや雑貨などジャンルは幅広く、顔ぶれが毎回違うのも魅力。多い日には約70店が並び、約3000人が来場する。
客と自然と会話
12日には、49店のテントやキッチンカーが園路沿いに並んだ。原木栽培の生シイタケ販売の「SAHORO SHIITAKE」(新得町)は、昨年まで町内で直売していたが、広く認知してもらいたいと今年から出店。開店から2時間足らずで10キロ分が完売し、正脇健次代表(46)は「うま味が特長のシイタケ。リピートしてくれる客もいる」と手応えを語る。別の出店者は「SNSなどで知って、目掛けてきてくれる。散歩がてら来ている人と自然に話せるのもいい」と話す。
芝生にピクニックシートを敷いたり、400メートルベンチに座ったりして食事をする人の姿も目立つ。幕別町から娘の柊色(ひいろ)ちゃん(3)、楓禾(ふうか)ちゃん(10カ月)と訪れた根本舞さん(30)は、ベーグルやレモンスカッシュを味わい、「子育てのリフレッシュに来た。いろいろな店を一気に見られて楽しい。縁日もあって、子どもたちも喜んでくれている」とくつろいだ様子。
湯川次長は「単なるイベントではなく、市民の日常に欠かせない市場にし、十勝の文化になってほしい」と語る。
<今季の開催>
残りは8月26日と9月9日、同23日の3回。午前9時~午後2時。基本は十勝産や十勝の事業者が買い付けた品が出店条件だが、それ以外の「ゲスト枠」もある。出店料は扱うジャンルにより1日2000~5000円。出店情報はインスタグラムやフェイスブックに掲載している。