ミラノ五輪「金」へ、高木美帆選手ら音更でトレーニング 「teamGOLD」始動
北京五輪スピードスケートの金メダリスト、幕別町出身の高木美帆選手(28)=TOKIOインカラミ-日体大、帯南商高出=らが新たに結成した「teamGOLD」が16日、音更町での自転車ロードトレーニングでチーム練習を始動した。メンバーの村上右磨選手(30)=高堂建設、帯広市出身=、佐藤綾乃選手(26)=ANA、釧路管内厚岸町出身=と共に、練習後の会見に臨んだ高木選手は「レベルも意識も高い選手とトレーニングできるのは新しい刺激。これからの時間が楽しみ」と語った。(古川雄介)
高木選手と村上選手は昨季は個人で活動、佐藤選手はナショナルチーム(NT)に所属していたが、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪での金メダル獲得をミッションに最強メンバーが集った。昨季も高木選手を指導したオランダ人のヨハン・デビット氏がヘッドコーチを務める。
16日の練習は農村部のコースを周回する約60キロのメニュー。3選手は個々に設定されたペースで、時折スピードを上げながら、約2時間ペダルをこいだ。当面は帯広を拠点にトレーニングを続け、6月11日に渡欧してオランダで練習する。8月に帰国後は帯広で氷上練習に入る予定。
北京五輪短距離代表の村上選手は単独活動の限界も感じており、高木選手らのチーム結成の動きを聞きつけ、自ら練習合流を志願した。「尊敬できる選手と一緒にやりたかった。五輪など大きな舞台で実力を発揮してきた点でも、学ぶことが多い。美帆さんの取り組む姿勢から、ひしひしと情熱を感じている」と、世界女王から吸収するつもりだ。
五輪の団体追い抜きで、二つのメダル(金、銀)を獲得している佐藤選手は屋内リンクのある帯広を拠点にして8年目。NTの離脱は最後まで悩んだが、「自分が納得したスケート人生が送れないと意味がない。コーチも力を信じてくれたし、美帆さんと練習する価値は私にとって大きい」と決断した。
昨季はデビットコーチと2人だけで試行錯誤をしてきた高木選手は「見知った選手でも、改めて集まると、ちょっとそわそわする」と、新鮮な気持ちで仲間との新シーズンを迎えた。チームの今後を「(コーチからの)一方通行ではなく、キャッチボールをしていきたい。選手同士も知識や考えを交わすことで、チームの質が上がってくると思う」と描いた。
チームにはオランダ人選手1人の加入が決まっており、他に2人の海外選手が加わる予定で、選手は計6人を想定。アシスタントコーチにはソチ、平昌五輪出場のウイリアムソン師円さん(28)=日高管内浦河町出身=が就いた。デビットコーチは「皆が世界でメダルを取れるレベルにある。トップを確実に取れるよう、一人ひとりに向き合う。強いチームにしたい」と意欲を見せた。
高木美帆選手ら音更でトレーニング 「teamGOLD」始動