瀧上つくし女子3000メートルトップ スケートオーバル競技会第3戦
スピードスケートの明治北海道十勝オーバル競技会第3戦が3、4の両日、同オーバルで行われた。女子3000メートルは瀧上つくし(群馬トヨペット-高崎健大、白樺学園高出)が4分16秒67のトップタイムをマークした。同1000メートルは今井柊嘉(帯農高1年)が1分20秒69の自己ベストで2位に入った。男子500メートルは辻本一史(三重県スポーツ協会-専大、帯農高出)が35秒38で制した。同1000メートルは久保向希(JOYFIT)が1分9秒91で圧勝、武田京乃(池田高3年)が1分10秒92の好タイムで3位に入った。小川拓朗(栃木県スケート連盟-白樺学園高出)は3000メートルを3分45秒55、1500メートルは1分48秒48で制した。(古川雄介)
◆瀧上つくし、フォーム改善に手応えのタイム
社会人2年目の瀧上つくしが女子3000メートルで自己ベストに迫る4分16秒67と上々の手応えを得た。姿勢を低くして、さらに重心を前に置くフォーム改善に取り組んでおり、「直線の感覚が体に染みついてきた」。緩やかだが確実な成長を感じていた。
練習パートナーのウイリアムソン・レミ(コカジスケートチーム)と近いペースで競り、1800メートルまで33秒のラップで粘った。ラスト1周で35秒台まで落としたのが惜しかったが、シーズンベストは大きく伸ばした。
環境を変えた今季は、ウイリアムソンと共に、母校白樺学園高の和田貴志監督の指導を仰いでいる。フォームの課題についても助言も受けた。高校生とも一緒に滑り、「自分もあんな風に無限に足が動いていたのかなと。フレッシュな気持ちになる」と刺激を受けている。
高崎健大(群馬県)を卒業後、縁あって所属先となった群馬トヨペットからは社員としての身分で競技に打ち込めるサポートを受けている。「次の五輪までやらせてくださいとお願いした」と、あえて期限をつけて覚悟を示した。
国内での位置はトップレベルを追う第2グループ。実力の近い同年代のライバルがひしめいており、ここから抜け出すことが最初の関門だ。4年後を見据え、じっくり取り組む構えだが、「来季はそろそろW杯に行きたい」と次のステップを描いている。
◆辻本一史、35秒の壁に挑む
男子500メートルで34秒台を狙う1人、辻本一史が唯一人35秒台前半で駆け抜けた。26歳になったスプリンターは「毎年ベストは更新し続けている。挑戦できる年齢までは、食らいついていきたい」と腹をくくっている。
自己ベストは昨季の北京五輪選考会でマークした35秒08(8位)。ワールドカップ代表も未経験だが、「コンマ2が足りない。もう少しつかめるものがあれば、ジャンプアップできる」と、届きそうな気配をモチベーションにしている。
仲間の引退もあり、今季は森本拓也(池田高出)、安保和也(帯南商高出)と少数チームを組む。1人での練習も多くなり、強度を高めるのに苦労するが、技術的な課題にはじっくり向き合えているという。
同い年で仲の良い新濱立也(高崎健大職)が日本のエース格で五輪を戦い、2歳年上の森本は今季W杯に参戦している。「負けていられない。同じ土俵に立ちたい」。そのために、まず35秒の壁を破るつもりだ。
◆今井柊嘉、1年生でインターハイ頂点狙う
女子1000メートルは昨季の全国中学短距離2冠の今井柊嘉(帯農高1年)が自己記録を更新する1分20秒69をマークして2着。高校ではタイムが伸び悩んでいただけに、「やっとベストが出せた」と、笑顔がこぼれた。
得意の1000メートルは、中学時代に非公認ながら1分20秒台を出していた。中学女王として周囲の期待も集めるが、夏場からけがを繰り返し、十分な体づくりができないままシーズンを迎えた。「うまくいかず不安だった」と明かす。
同じ全中で中・長距離の2冠だった小島楓(帯三条高1年)が高校でもトップを争う中、負けていられない。今後は屋外レースが続くが、その前に強い気持ちでベストをたたき出した。自信を取り戻し、インターハイは「1年生から優勝を目指す」と勝負する。
◆武田京乃、もう一段上の滑り目指す
スケールの大きな滑りが持ち味の武田京乃(池田高3年)が1000メートルで1分10秒台に突入した。「雑に滑って1位より、格好良く滑りたい。順位はその後についてくる」。独自のこだわりを持ちながら記録を伸ばしている。
ダイナミックに腕を振るが「無駄な力が入らないようにしている」と気をつかう。1000メートルの前半のラップを上げる練習とする500メートルでは、35秒台をたたき出す。大きな滑りで6000メートル以降もスピードを維持できれば、もう一段上のタイムも望めそうだ。
短距離は同学年にライバルも多いが「相手ばかり見ても仕方ない。一つひとつのレースで自分のいい滑りをするだけ」と意識はしていない。ただ得意種目だけは譲れない。「1000はインターハイで1位を取る」と必勝を宣言した。
(4位以下関係分、10位まで)
【男子】
◇500メートル
(1)辻本一史(三重県スポーツ協会-専大、帯農高出)35秒38
(2)久保向希(JOYFIT)35秒56
(3)及川佑(大和ハウス工業-山梨学院大、池田高出)35秒72
(4)武田京乃(池田高)35秒89
(7)水口浩斗(明大-池田高出)36秒98
(8)佐藤敦(帯三条高)37秒12
(9)山本敬太(池田高)37秒13
(10)長崎向泰(日大-池田高出)37秒23
◇1000メートル
(1)久保向希(JOYFIT)1分9秒91
(2)辻本一史(三重県スポーツ協会-専大、帯農高出)1分10秒76
(3)武田京乃(池田高)1分10秒92
(5)山本敬太(同)1分13秒68
(7)熊谷宗一郎(白樺学園高)1分13秒92
(10)久保颯大(札内東中)1分14秒72
◇1500メートル
(1)小川拓朗(栃木県スケート連盟-白樺学園高出)1分48秒48
(2)三井晃太(専大)1分50秒21
(3)松本一成(高崎健大)1分51秒41
(4)宮坂大地(白樺学園高)1分52秒84
(5)小丹枝海斗(帯農高)1分53秒71
(7)吉田健太(明大-帯三条高出)1分55秒52
(8)久保颯大(札内東中)1分55秒57
(10)小坂陽汰(池田高)1分55秒86
◇3000メートル
(1)小川拓朗(栃木県スケート連盟-白樺学園高出)3分45秒55
(2)谷垣優斗(専大-白樺学園高出)3分46秒91
(3)堀川雄大(大樹中)4分2秒56
(4)藤田耀司(帯三条高)4分2秒78
(5)村下巧(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター)4分3秒43
(6)佐藤真翔(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター-鹿追中出)4分5秒72
(8)石川詩月(白樺学園高)4分14秒79
(9)菅原瑞生(鹿追中)4分20秒74
(10)水口翔(緑南中)4分21秒60
◇5000メートル
(1)小坂陽汰(池田高)6分58秒40
(2)小丹枝海斗(帯農高)6分58秒67
(3)長岡歩太(帯一中)7分8秒49
(5)黒坂快斗(帯三条高)7分9秒14
(6)寺町凌太(帯農高)7分10秒87
(8)宮坂大地(白樺学園高)7分19秒89
(9)吉田健太(明大-帯三条高出)7分22秒89
(10)戸水駿大(帯南商高)7分26秒70
【女子】
◇500メートル
(1)松澤優花里(サンエスコンサルタント)39秒96
(2)上鹿渡双葉(JOYFIT栃木-信州大、帯柏葉高出)40秒13
(3)今井柊嘉(帯農高)40秒41
(4)松島未来(同)40秒51
(5)奥秋静子(士幌中央中)40秒76
(6)瀧上つくし(群馬トヨペット-高崎健大、白樺学園高出)41秒38
(7)田中萌々子(帯三条高)41秒55
(8)池田結衣花(同)41秒71
(9)飯田明音(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター)41秒82
(10)平林美優(同、同)41秒84
◇1000メートル
(1)松澤優花里(サンエスコンサルタント)1分19秒88
(2)今井柊嘉(帯農高)1分20秒69
(3)上鹿渡双葉(JOYFIT栃木-信州大、帯柏葉高出)1分23秒36
(4)松島未来(帯農高)1分23秒43
(5)山田怜歩(帯三条高)1分23秒47
(6)平林美優(JSFエリートアカデミー、星槎国際高校帯広学習センター)1分23秒63
(7)飯田明音(同、同)1分23秒66
(8)木本優羽(帯農高)1分24秒71
(9)坂上瑠璃(白樺学園高)1分26秒17
(10)福島希空(共栄中)1分26秒67
◇1500メートル
(1)藤岡日菜(帯農高)2分8秒23
(2)清水凜(早大)2分9秒16
(3)山田怜歩(帯三条高)2分9秒36
(4)高橋弥恵(帯農高)2分9秒70
(5)宮下愛菜(帯三条高)2分11秒05
(6)木本優羽(帯農高)2分11秒74
(7)丸子夢実(白樺学園高)2分13秒31
(8)竹林伶茄(帯南商高)2分13秒35
(9)成田陽愛(帯五中)2分14秒46
(10)笛木花和(帯農高)2分14秒58
◇3000メートル
(1)瀧上つくし(群馬トヨペット-高崎健大、白樺学園高出)4分16秒67
(2)ウイリアムソン・レミ(コカジスケートチーム)4分17秒26
(3)池田結衣花(帯三条高)4分36秒39
(5)宮下愛菜(帯三条高)4分37秒17
(6)藤岡日菜(帯農高)4分38秒66
(7)高橋弥恵(同)4分38秒69
(8)奥秋静子(士幌中央中)4分44秒74
(9)成田陽愛(帯五中)4分47秒47
(10)道見花恋(帯三条高)4分48秒04