エスポラーダは逆転負け、関口復帰目指す フットサルFリーグ帯広開催
フットサルのFリーグ第12節のエスポラーダ北海道は13日、よつ葉アリーナ十勝でペスカドーラ町田と対戦し、2-4で逆転負けした。勝ち点は16(5勝6敗1分)のままで、通算順位は8位。6年ぶりにチームに復帰したゴレイロ関口優志(31)=札大、帯北高出=は、けがのリハビリ中で出場しなかったが、ベンチからチームメートを鼓舞した。(古川雄介)
1点リードを守り切るムードが一転、終盤の連続失点で力尽きた。8季ぶりの4連勝の勢いが鈍る2連敗。室田祐希主将は「先制点も取れて立ち上がりはよかったが、ここで勝ちきれないのが自分たちの力不足」と悔しさをにじませた。
第1ピリオド開始55秒、本郷輝のCKから山田優介が左足を振り抜いて先制。町田ゴレイロのキックが直接北海道ゴールに吸い込まれて同点とされたが、16分すぎに本郷のCKがオウンゴールを誘い2-1とリードして折り返した。
第2ピリオドは町田ペース。ゴレイロ山下颯大がファインセーブを連発してしのいだが、14分、15分と立て続けの失点で逆転を許した。残り時間でパワープレーを仕掛けた北海道だが、逆に決定的な4点目を決められた。
12節を終えて3位の町田相手に敗れはしたが、室田や新加入の仁科佑太らが果敢にゴールを狙う姿が、1131人の観客を興奮させた。金井一哉監督は「アリーナの雰囲気に後押しされ、最後まで戦う姿勢を見せてくれた」と評価。今季のスローガンは「漸進」。その意味の通り、少しずつだが着実に力を増している。
■リハビリ中の関口「日本代表に戻りたい」
北海道に戻ってきた関口優志が、うれしさと複雑な思いを抱えてフロアに立った。「いつか地元にがい旋できればと思っていた。けがで試合に出られないのが悔しい」。左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがから復帰を目指す31歳は、再びトップフォームで戦う姿を、より鮮明に描いていた。
2010年にエスポラーダに入団した関口は、15年に帯広でのプレシーズンマッチに出場したが、旧市総合体育館はFリーグの規格に合わなかったため、公式戦は披露していない。12年を経て実現した舞台でベンチにいるのは不本意だ。
2013年に日本代表に初選出。14年AFCフットサル選手権で日本の初優勝に貢献した。16年に絶対王者の名古屋オーシャンズに移籍。21年W杯に日の丸をつけて出場し、選手として円熟期に入ったが、同年12月12日のバサジィ大分戦で選手生命を脅かす大けがを負った。当初全治6カ月と発表されたが、1年かかることが分かった。3度の手術を経て、3月にエスポラーダに復帰し、長いリハビリに取り組んでいる。
「本当に(以前の状態に)戻るのかと不安はあった。試合に出たい気持ちがモチベーションだった」と耐えた。現在は少しずつチーム練習に加わることもできるようになり、この日のウオーミングアップでは軽快にボールを蹴る姿を見せた。この状態でベンチに入っている理由も理解している。「経験を皆に伝えていくのが役割。少しでも若い選手に影響を与えたい」。
試合中も大きな声を出し、先制点の場面ではベンチを飛び出し、ゴールを決めた山田優介を祝福した。今は役割を果たすだけだが、ひざの完治の先には「日本代表に戻れるように、最高のパフォーマンスをしたい」と目標がある。地元での応援に感謝しながら「来季の帯広での試合は、関口優志のプレーを見に来てほしい」と笑顔を見せた。
▽第12節
ペスカドーラ町田 4(1-2 3-0)2 エスポラーダ北海道
▽得点者
【ペ】
(1)ジオヴァンニ(1P12分51秒)
(2)倉科(2P14分19秒)
(3)高橋(同15分52秒)
(4)倉科(同19分6秒)
【エ】
(1)山田(1P55秒)
(2)オウンゴール(1P16分49秒)