アイヌ民族の地位向上、文化伝承・・・「シンボルだった」 元北海道ウタリ協会理事長の笹村二朗氏悼む声
北海道ウタリ協会(現道アイヌ協会)元理事長の笹村二朗氏=帯広市=が11日、病気療養中のところ亡くなった。88歳だった。アイヌ民族の社会的地位向上や文化伝承などに尽力した笹村氏の訃報に、十勝の関係者は悲しみに暮れ、改めてその功績をたたえた。
笹村氏は1934年帯広市生まれ、帯広第一中卒。68年に道ウタリ協会帯広支部(現帯広アイヌ協会)に入会し、76年から2018年まで支部長・会長を務めた。1996年から2001年まで道ウタリ協会理事長としてアイヌ文化振興法制定に尽力。1995年から3期12年、帯広市議も務めた。
シンボルだった
アイヌの子どもたちに勉強を教える市内の教育支援団体「とかちエテケカンパの会」で会長を務める木村マサヱさん(73)=帯広市=は「私たちのシンボル。困ったら笹村さんに頼り、何とかしてもらった」と振り返る。がんで長期間の闘病生活を続けた笹村さん。5月に会ったときには「体重が47キロまで落ちた」と話していたという。「それでも今冬の行事には参加してくれた。アイヌのことを思い、アイヌを認めてもらうための活動を長年、一生懸命やってくれた。本当に寂しくなる」と言葉を詰まらせた。
アイヌ古式舞踊を伝承する帯広カムイトウウポポ保存会会長の酒井奈々子さん(70)=帯広市=は「以前はよくけんかもしたけれど、近年は何でも話せるお父さんのような大きな存在だった。『俺は100歳まで生きるんだ』と話していたのに…。非常に残念」と肩を落とす。「アイヌ・ウタリのために取り組んでくれたことに感謝したい。天国から私たちを見守ってほしい」と冥福を祈っていた。(松村智裕)