帯吹研創立50周年 7月3日に記念定期演奏会
十勝の社会人吹奏楽団の草分けとして知られる帯広吹奏楽研究会(永田英樹会長、会員28人)は今年、創立50周年を迎えた。十勝管内の一般吹奏楽団としては最も歴史があり、社会人になっても吹奏楽を楽しめる場として十勝の音楽界を支えてきた。7月3日に50周年記念の第75回定期演奏会を控えており、会員らは練習に精を出している。(牧内奏)
同研究会は1972年に創立。「吹奏楽好き」が集まり、楽団を結成した。初代会長に故岩間守さんが就き、会員9人からスタート。3年後の75年には吹奏楽コンクールに初出場し、88年から定期演奏会を年2回開催するなど、精力的に取り組み、会員も多いときは50人に上った。
2002年から2代目会長を務める永田さん(51)=幕別=が、同研究会の門をたたいたのは高校1年生のとき。中学時代の先輩に誘われ、買ってもらったばかりのチューバを抱えて練習に参加した。楽しさから辞められず、今年で入会35年となった。「世代を超えた人との出会いは音楽だけでなく、人生の勉強もさせてもらった」と永田さん。現在も20~70代の幅広い世代が参加しており、一つの音楽を目指す仲間の存在をかみしめている。
ここ20年ほどは練習場所を確保できない苦労もあった。吹奏楽は楽器の編成が多く、特に打楽器などの大きな楽器は保管場所や移動も大変。廃校の体育館やホールなどを転々と渡り歩いたという。現在は市内の市民活動プラザ六中(東11南9)が拠点となっている。
50年の歴史は次世代へとつながっている。団員に子どもや孫が生まれ、その世代が楽器を始めたりして、音楽の楽しさを脈々と紡いでいる。同研究会創立後は帯広吹奏楽団(1980年)、帯広青少年吹奏楽団(81年)が立ち上がり、ここ10年くらいではさらに多くの吹奏楽団が生まれて、十勝全体が盛り上がりを見せている。
創立から7年後にトロンボーン奏者として入会し、79年から常任指揮者も務める岩倉秀孝さん(72)=元音更高教諭=は「あっという間の50年だった」と振り返る。7月3日に行われる定期演奏会は、コロナ禍を挟んでの3年ぶりの開催。20日に行われた合奏もまた3年ぶりだった。「ちむどんどん(胸がわくわく)するよ。音楽はいいものだね」と岩倉さん。指揮中も「音楽に聴き入って振るのを忘れてしまうよ」と、誰よりも本番を楽しみにしているよう。「次の10年も今までの延長で努力していってほしい。続けられるうちは指揮はやりたいね」と話した。
来月3日に記念演奏会
第75回定期演奏会は7月3日午後4時から、帯広市民文化ホール・大ホールで開かれる。3部構成で、1部は「スイッチ・イン・タイム」などビッグバンド、2部は「マンボ・メドレー」などジャズ、3部は「オーメンズ・オブ・ラブ」「宝島」などポップスでOBら27人も参加する。入場料は500円(中学生以下無料)。問い合わせは(090・1380・7107)へ。