帯大谷女子北北海道9年ぶりVインターハイへ、男子は準優勝 帯柏葉3位 道高体連バドミントン
(22、23日・湿原の風アリーナ釧路)
第1日は男女団体戦を行った。女子の北北海道決勝は、帯大谷が旭川実に3-2で競り勝ち、9年ぶりの優勝を飾った。優勝校のみに与えられる全国高校総体(7月23~28日・徳島)の出場権を得た。第2日の23日午前に南北海道優勝校のとわの森三愛(江別)と全道決勝を実施し、0-3で敗れた。シングルスと二つのダブルスの全てで第1ゲームは奪ったものの逆転され、48年ぶり4度目の頂点には届かなかった。男子は旭川実が札幌龍谷に3-1で勝ち、7年ぶり3度目の優勝を果たした。十勝勢は男子の帯大谷が北北海道決勝で旭川実に1-3で敗れ準優勝。帯柏葉は準決勝で旭川実に0-3で負けて3位だった。帯三条は男女共に1勝してベスト8、女子の帯南商は1回戦で敗れた。大会は24日まで無観客で実施される。(北雅貴、金野和彦)
◆帯大谷女子、息詰まる接戦制して頂点、全国へ
帯大谷女子が旭川実との息詰まる熱戦を制した。1月の全国高校選抜大会北北海道予選会を制しており、第1シードとして出場。菅原詩月主将(3年)は「十勝大会を含め、チームとして負けられないというプレッシャーがずっとあった。ほっとした」と安堵(あんど)の涙を流した。
決勝戦は3コートで同時展開。第1(トップ)ダブルスは菅原・木村百華組(3年)が敗れたものの、第2ダブルスの濱下亜美・江口碧組(3年・2年)が完勝。濱下は相手を冷静に観察していた。「ダブルスにあまり慣れていない。それぞれがシングルスの動きをしている」。アタックで攻めて2人を後ろに下げてからネット前に落とし、守りではフェイントを仕掛けられても互いにカバー。1年間掛けて磨いた息の合ったプレーを見せた。
もう1面でプレーしていた第1シングルスの金谷心美(1年)はファイナルゲームまでもつれ込んだ。長いラリーの応酬で一進一退の攻防が続いていた。「重い空気だったけど、隣の先輩たちが頑張っている姿を見て励まされた」と、長所の粘り強さを遺憾なく発揮。帯一中時に道中学生新人選手権で優勝したこともある金谷は、高校入学後に先輩の威力のあるスマッシュを受けてさらに持ち味を強化した。「負けたら3年生は引退。出られない選手がいる中、1年生で出場している責任がある。自分のショットは絶対にコートに入れ、相手の羽根は絶対に落とさないと思った」と、気迫で接戦を制した。
3人が終わり2勝1敗。残りの2つのシングルスに全国切符が懸かった。濱下と江口が隣同士のコートに。先に敗れた濱下が祈るように見詰める中、江口は168センチの身長を生かした高い打点のスマッシュを打ち込み、強打と見せかけたクロスカットで前に落とすなどしてポイントを重ねた。第2ゲームは20-21から3連続ポイントを奪い逆転。勝負強かった。江口は3月の全国高校選抜大会に出場。2回戦の初戦で敗れ、「レベルが全く違った。体力づくりからしないといけないと思った」と振り返った。部活動がない日は外を走り、家の中で筋力トレーニングに励んだ。
入江優喜監督は2017年に就任して以来、初のインターハイ。選手層が薄い時期もあったが、今年は金谷ら1年生3人、2年生は2人がメンバー入り。定期的に部内戦を行い、十勝支部予選でレギュラーだった選手が外れるなど常に競争してきた。入江監督は「体力や技術は上がってきたが、全国を考えるとまだまだ足りない」と表情を引き締めた。新チームになってから部員皆で話し合って決めた、全国ベスト16の目標達成へ突き進む。
◆帯大谷男子、小差あと一歩で全国逃す
5大会連続(コロナ禍で中止になった2020年を除く)で同じ顔合わせの北北海道大会男子決勝。帯大谷は4年ぶりのインターハイはならなかった。ただ、決勝で旭川実に敗れた全国高校選抜大会北北海道予選会に比べ、瀬藤智史(3年)は「全員が相手に向かっていく気持ちを出せた。自分も全力は出せた」と振り返った。
第1ダブルスの瀬藤・廣瀬大城組(3年)は第2ゲーム、しっかりと踏み込んで前へ前へネットに向かっていった。速いタッチでのドライブ合戦も。第2ダブルスの野崎逸斗・菅野愛都組(2年)は3年生ペアに21-19、23-21と勝ち切った。第1シングルスの松本悠汰(同)も2ゲームとも大接戦に。1勝3敗だったがどちらに転んでもおかしくないほどの小差だった。
支部予選ではレギュラーだった三好海智主将(3年)が右太ももの肉離れでメンバー外に。それでも「悔しい気持ちはあるが、引きずってもチームの荷物にしかならない」と裏方に徹した。ダブルス練習では、選手2人に対しヒッティングパートナーとして三好主将ら4人がコートに。「(旭川)実業だけを見た強度の高いメニュー」で臨んだ。
旭川実を倒し南北海道との全道決勝も制してインターハイに-という少し届かなかった目標は、後輩たちに引き継がれる。5人の2年生がメンバーに入る若いチーム。三好主将は「2年生は北海道で一番強いと思っている。まずは選抜(大会)で実業を破り、(来年の道高体連は)絶対に全道優勝できる」と熱いメッセージを送った。
◆帯柏葉男子、競り合って3位に充実感
「一人ひとりが自分たちのできる限りのプレーをした。勝ち切れなかったのは悔しいが、(旭川実と)ある程度競り合いはできた」。帯柏葉男子の越川匠主将(3年)は3位の成績に胸を張った。
安定した試合運びで1回戦で北見柏陽に、準々決勝で白糠に勝利した。冬に行われた全国高校選抜大会北北海道予選会の準決勝で旭川実に敗れて以来、高橋吏玖(同)は「サーブや、サーブからの3球目の攻撃を鍛えてきた」と話した。越川主将と組んだダブルスで食らいつき成果の一端を見せた。越川主将が後衛から力強いスマッシュを放ち、返球を高橋が前衛でたたいてポイントを取る場面もあった。レシーブも光った。
シングルスでは三浦啓斗(同)が第1ゲームを奪取。持ち味のスマッシュを生かした。「去年と比べて強い気持ちを表に出せるようになった。今までやってきたことを全て表現できた」と充実感を漂わせた。
◆男子ベスト8の帯三条・松村蒼一朗主将(3年)の話
1回戦は最後まで諦めないでプレーできた。目標のベスト4には届かなかったが、このメンバーでできたのがうれしかった。ベンチに入れなかった仲間のサポートも充実していた。後輩たちは自分たちを超える成績を残してほしい。
◆女子同の帯三条・内田千晴主将(同)の話
悔しいが今できることはやった。自分たちからミスをせずラリーを続けた。チームとしてランニングや打ち込みをして体力づくりをしてきた。下級生は全国を目指してほしい。(旭川)実業は焦りがなく強かった。
◇帯大谷女子
▽監督=入江優喜
▽コーチ=阿部修久
▽マネジャー=高木沙英(3年)
▽選手=菅原詩月主将(3年)濱下亜美(同)江口碧(2年)木村百華(同)金谷心美、石原綾弓、上山怜来(以上1年)
◇帯大谷男子
▽監督=相澤俊彰
▽コーチ=成田佑二
▽マネジャー=三好海智(3年)
▽選手=瀬藤智史(3年)廣瀬大城(同)濱下虎哲、菅野愛都、野崎逸斗、松本悠汰、菅原一聡(以上2年)
(6月22日)
【男子】
<北北海道>
◇団体戦
▽1回戦
帯三条 3-2 岩見沢農
しゅうわき(にんべんに集、にくづきに亀)千聖・下亮太郎 0(15-21 7-21)2 森田羽・西野望斗○
○松村蒼一朗・北優人 2(21-9 21-16)0 深尾柊真・菊池大翔
○菊池蓮 2(21-13 21-9)0 若松勇真
北 0(19-21 15-21)2 森田○
○松村 2(19-21 21-14 21-15)1 深尾
帯柏葉 3-1 北見柏陽
越川匠・露木悠斗 0(21-23 21-23)2 矢田目璃輝・小林霜冠○
○高橋吏玖・澤沼蒼太郎 2(21-8 21-11)0 小上大和・細川翔
○武下佳司 2(21-9 21-6)0 齊藤光太
○高橋 2(21-5 21-7)0 小林
帯大谷 3-0 釧路明輝
○廣瀬大城・菅原一聡 2(21-12 21-6)0 千葉太陽・萩谷勇武
○野崎逸斗・菅野愛都 2(21-14 21-14)0 上田志月・玉鳥泰紀
○松本悠汰 2(21-1 21-4)0 武山充
旭川実 3-0 釧路工
白糠 3-1 稚内大谷
武修館(釧路) 3-0 紋別
旭川工 3-0 岩見沢緑陵
旭川龍谷 3-0 稚内
▽準々決勝
旭川実 3-0 帯三条
○伊藤彰悟・佐々木颯太 2(21-6 21-4)0 北・菊池
○新堂春輝・中村樹希 2(21-5 21-7)0 しゅうわき(にんべんに集、にくづきに亀)千聖・内藤亮力
○渡部蓮 2(21-8 21-8)0 松村
帯柏葉 3-0 白糠
○越川・高橋 2(21-10 21-13)0 對木隼祐・大前輝良
○三浦啓斗・武下 2(21-13 23-25 21-17)1 渡部竜士・對木一輝
○澤沼 2(21-15 21-9)0 齊藤永心
帯大谷 3-0 旭川龍谷
○濱下虎哲・菅野 2(21-14 21-7)0 井上晴道・前中勇人
○廣瀬・菅原 2(21-17 21-10)0 齋藤遥人・五十嵐星良
○野崎 2(21-9 21-4)0 今地琉成
武修館 3-2 旭川工
▽準決勝
旭川実 3-0 帯柏葉
○伊藤・佐々木 2(21-13 21-15)0 越川・高橋
○小島滉貴・中村 2(21-13 21-11)0 澤沼・武下
○中塩爽太 2(17-21 25-23 21-9)1 三浦
帯大谷 3-0 武修館
○瀬藤智史・廣瀬 2(21-9 21-10)0 清水遥・赤川隼斗
○松本・菅原 2(18-21 21-17 21-19)1 瀧ケ平羽玖・高砂翔吾
○濱下 2(21-12 21-11)0 加藤翔稀
▽決勝
旭川実 3-1 帯大谷
○小島・伊藤 2(21-10 21-17)0 瀬藤・廣瀬
新堂・中村 0(19-21 21-23)2 野崎・菅野○
○佐々木 2(22-20 21-19)0 松本
伊藤 0(14-21 9-16 打ち切り)1 瀬藤
○小島 2(21-8 21-13)0 濱下
<南北海道>
◇団体戦
▽1回戦
札幌龍谷 3-0 函館中部
札幌第一 3-2 小樽潮陵
札幌北斗 3-0 伊達開来
函館工 3-1 札幌西陵
札幌東 3-2 寿都
札幌静修 3-0 伊達緑丘
函大有斗 3-2 道科学大高(札幌)
北海(札幌) 3-0 室蘭東翔
▽準々決勝
札幌龍谷 3-0 札幌第一
札幌北斗 3-0 函館工
札幌静修 3-0 札幌東
北海 3-0 函大有斗
▽準決勝
札幌龍谷 3-2 札幌北斗
北海 3-0 札幌静修
▽決勝
札幌龍谷 3-1 北海
【女子】
<北北海道>
◇団体戦
▽1回戦
帯三条 3-1 網走桂陽
○谷本明日華・村上朱理 2(21-13 21-13)0 大内雫・田中鈴菜
○内田千晴・奥田梨乃 2(21-13 21-7)0 金子璃南・黒川深月
福原悠奈 1(22-20 17-21 19-21)2 佐野里々花○
○内田 2(21-14 21-9)0 金子
旭川南 3-1 帯南商
○嶋村瑞希・獅子原瑚桜 2(21-10 21-13)0 熊谷星来・川西美咲
河内凜央・新関優芽 1(21-19 18-21 17-21)2 石田朱里・武下亜美○
○江刺心愛 2(21-14 21-13)0 磯野愛衣
○獅子原 2(21-18 18-21 21-19)1 熊谷
網走南ケ丘 3-0 釧路明輝
根室 3-0 稚内大谷
旭川商 3-0 岩見沢東
旭川実 3-0 釧路江南
釧路北陽 3-0 岩見沢緑陵
▽準々決勝
帯大谷 3-0 網走南ケ丘
○菅原詩月・木村百華 2(21-19 21-12)0 井上玲奈・齊藤亜未
○石原綾弓・上山怜来 2(21-14 21-6)0 渡辺結衣・高橋花綸
○金谷心美 2(21-7 21-4)0 羽田葵羅
旭川実 3-0 帯三条
○吉田莉麻・松浦日菜乃 2(21-14 21-11)0 内田・奥田
○土佐梨緒菜・佐藤鼓柊 2(21-8 21-7)0 平澤真歩・大村美結
○横田美侑 2(21-11 21-6)0 村上
旭川商 3-0 根室
旭川南 3-0 釧路北陽
▽準決勝
帯大谷 3-1 旭川商
○濱下亜美・江口碧 2(11-21 21-16 21-9)1 柴田優来・佐藤凜紅
石原・上山 0(14-21 16-21)2 井上紗彩・中島優衣奈○
○金谷 2(19-21 21-19 21-19)1 大坂夏里奈
○濱下 2(21-12 21-11)0 中島
江口 (12-15 打ち切り) 井上
旭川実 3-1 旭川南
▽決勝
帯大谷 3-2 旭川実
菅原・木村 0(17-21 15-21)2 吉田・松浦○
○濱下・江口 2(21-12 21-11)0 土佐・佐藤
○金谷 2(20-22 21-14 21-18)1 三上優那
○江口 2(21-15 23-21)0 松浦
濱下 0(17-21 12-21)2 土佐○
<南北海道>
◇団体戦
▽1回戦
とわの森三愛(江別) 3-0 室蘭東翔
札幌新川 3-0 函館工
札幌北斗 3-2 苫小牧南
小樽未来創造 3-1 札幌東商
遺愛女子(函館) 3-0 北海(札幌)
北星学園女子(札幌) 3-0 寿都
千歳 3-0 北海道栄(白老)
札幌静修 3-0 函館大妻
▽準々決勝
とわの森三愛 3-0 札幌新川
札幌北斗 3-2 小樽未来創造
北星学園女子 3-0 遺愛女子
札幌静修 3-0 千歳
▽準決勝
とわの森三愛 3-0 札幌北斗
札幌静修 3-0 北星学園女子
▽決勝
とわの森三愛 3-2 札幌静修