高木姉妹ら団体追い抜き日本女子チーム会見「このメンバーで戦えたことは誇り」
【中国・北京=北雅貴】北京五輪スピードスケートの女子団体追い抜き(チームパシュート、15日に準決勝と決勝を実施)で銀メダルを獲得した、幕別町出身の高木菜那(29)=日本電産サンキョー-帯南商高出=、妹の美帆(27)=日体大職-日体大、同高出=、佐藤綾乃(25)=ANA、釧路管内厚岸町出身=が20日、記者会見した。高木美は「金メダルを狙っていたので悔しいが、このメンバーで戦えたことを誇りに思う」と話した。
前回の平昌五輪で金メダルを取った同じメンバーで臨んだ日本。カナダと最後まで競り合っていた決勝は、最終周の最後のカーブで最後尾を滑ってチームの推進力となっていた高木菜が転倒。責任を感じて号泣した。
記者会見で高木菜は「つらい五輪になった。悔しい銀メダル」としながらも、「気持ちの整理が付かない中、チームメートの温かさやコーチの支え、日本の人たちの励ましのおかげで、最後はくじけずに前を向けた」と感謝した。1500メートルは8位、団体追い抜きは2位、マススタートは転倒もあり1回戦で敗退した。「この4年間、いろいろな思いを感じながら、時間を掛けてスケートに取り組んできた。思い描いていた形にはならなかったが、それ以上に大切なことに気付けた五輪。これからの人生の糧にし、前を向いて歩きたい」と話した。
今五輪では高木美は5種目7レースに出場。3000メートル6位、1500メートルと500メートル、団体追い抜きは銀メダルを獲得。心身とも限界近くまで追い込まれながら、最終種目の1000メートルで個人種目自身初となる金メダルに輝いた。「完走できた。五輪は最高の気持ちを味わえる場所であり、共有もできる。しんどいけど、楽しかった」と充実感を漂わせた。
今季は今後、世界選手権大会(3月3~6日・ノルウェー)オールラウンド総合部門、ワールドカップ最終戦(同12、13日・オランダ)が残っており、転戦する予定だ。帰国後は、姉妹とも「コロナ禍の状況にもよるが」と前置きした上で、高木菜は「すごくおいしいすき焼きを食べたい」、高木美は「ずっと行っていない美容室に行きたい」と互いににこやかに笑った。