高校女子Aクラス金本9位、伊藤10位、成年男子の緑川は2位 道高校・国体道予選会フィギュア
フィギュア競技の第74回道高校スケート選手権大会(道高体連など主催)が11、12の両日、帯広の森スポーツセンターで行われた。12人で争われた女子Aクラスは金本カノン(帯緑陽1年)が9位、伊藤初菜(帯農同)は10位。優勝は長岡柚奈(藤女子1年・札幌)。上位6人が全国高校総体(来年1月・青森)の出場権を得た。2人が出場した男子Aクラスは遠藤灯希(北海学園札幌2年)が制し、同総体へ。併催の第77回国体道予選会は、成年男子の緑川諒人(日大4年-芽室高出)が2位。国体(同・栃木)には優勝の坪井聖弥(北洋大)と、全日本選手権大会出場を決めて道予選会免除の長谷川一輝(東京理科大-札幌藻岩高出)が臨む。少年女子、成年同はそれぞれ上位2人が国体出場を決めた。(北雅貴、金野和彦)
◆金本カノン、体力不足を反省「来季はインターハイを」
「前半はいつもより良かった。ただ体力不足で後半が全然駄目」。金本カノンは苦笑いを浮かべてフリーの演技を振り返った。
冒頭のダブルアクセルできれいに着氷し、2つ目も同じジャンプに成功。コンビネーションジャンプもまずまずだったが、中盤のスピンから疲労を感じ始めた。終盤に加点を狙ったジャンプは転倒。スピンもステップも乱れた。今大会の3日ほど前に左足のふくらはぎを痛めたことも響いた。
今季は1時間半のレッスン、自宅での筋力トレーニングとストレッチで満足し、氷上での自主練習が足りてなかったと反省。「悔しかったが、次に向けて頑張ろうとの気持ち。以前跳べていたトリプルジャンプをまた成功させたい。体力を付けてノーミスの演技もしたいし、来シーズンはインターハイにも行きたい」と次々と目標を挙げ、意欲を見せた。
◆伊藤初菜、格上に挑む演技「目標になった」
2シーズンぶりの大会出場となった伊藤初菜は、久しぶりの実戦にも緊張せず、最後まで演じた。
最終日のフリースケーティング(FS)では冒頭のダブルフリップが成功。続くダブルサルコーとシングルトーループのコンビネーションジャンプも決まり流れをつかんだ。
ショートプログラム(SP)とFSのプログラムを一新して臨んだ。今回初めて2日間の日程でSPも経験。日本スケート連盟公認の6級以上がインターハイ出場の条件のため、5級の伊藤は格上に挑む形だった。「上手な人と試合ができて、目標になった」と前を向いた。今後、2回転の全てのジャンプを大会で成功させることも誓った。
◆けが克服の緑川諒人、地元開催のインカレに意欲
今季で引退する緑川諒人が国体出場は逃したものの、堂々とした演技でけがを克服した姿を披露した。
2019年、20年と2年続けて右足首を骨折。今大会は1年数カ月ぶりの試合となった。フリーでは持ち味の表現力とスケーティングを発揮。終盤のスピンでミスが出るなど、自己ベストには12点ほど届かなかったが、「ジャンプも良くはなかったが、すごく楽しめた。悔いはない」とさばさばした表情だった。
5歳から始めたフィギュアスケート。集大成のシーズンだ。日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)が来年1月5日から9日まで帯広で行われる。最後の大会が地元のリンク。「楽しく終わりたい。頑張りたい」と意気込んだ。
(1位と関係分)
<道高校大会>
【女子】
◇Aクラス
(1)長岡柚奈(藤女子・札幌)126・59(ショートプログラム(1)44・13、フリー(1)82・46)
(9)金本カノン(帯緑陽)85・74((9)27・70(9)58・04)
(10)伊藤初菜(帯農)66・59((12)23・17(10)43・42)
◇Bクラス
▽フリー
(1)山名田心織(釧路東)44・08=出場1人
【男子】
◇Aクラス
(1)遠藤灯希(北海学園札幌)76・41(ショートプログラム(1)27・31、フリー(1)49・10)
◇Bクラス
▽フリー
(1)岡慶冴(旭川農)37・25=出場1人
<国体道予選>
※道高体連と重複者は同点数
【女子】
◇少年
(1)長岡柚奈
(9)金本カノン
(10)伊藤初菜
◇成年
(1)海津あすか(東洋大)134・70(ショートプログラム(1)45・43、フリー(1)89・27)
【男子】
◇少年
(1)遠藤灯希
◇成年
(1)坪井聖弥(北洋大)142・26(ショートプログラム(1)51・64、フリー(1)90・62)
(2)緑川諒人(日大-芽室高出)123・20((2)80・68)