産卵終えたサクラマス ぼろぼろの体でも卵守る
日高山脈の麓にある十勝川水系の支流で25日、産卵を終えたサクラマスの雌が見られた。ぼろぼろの体で、最期を迎えるまで卵を見守っている。
道東のサクラマスは降海後1年で成熟し、生まれた川に戻った後、9月ごろに産卵する。幼魚と、川で一生を過ごす個体はヤマメと呼ばれるが、海から戻った個体は同じ魚とは思えないほど大型化する。
この日見られたサクラマスの雌は体長50センチほど。さけます・内水面水産試験場(恵庭市)によると、尾びれが白いのは、産卵のために川底の砂利を掘って、ぼろぼろになるため。雌は産卵後、翌日までに死んでしまうという。
この雌は人が至近距離まで近づいても逃げようとせず、まるで何かを悟ったかのように、岩陰にじっと身を寄せていた。(高田晃太郎)