緑ケ丘公園で帯広能 伝統芸能を観覧
「白鍛冶 白頭」で塩津圭介さん演じる稲荷明神の化身
能楽の喜多流による野外公演「喜多流 帯広能」が21日、帯広市内の緑ケ丘公園・グリーンステージ特設能舞台で開かれた。来場者約250人が、開放感ある野外で観覧し、日本の伝統芸能を間近に体感した。(大木祐介、撮影・助川かおる通信員)
同日は喜多流能楽師の塩津哲生さんがシテ(主演)を勤める「翁」と、哲生さんの長男圭介さんがシテを勤める能「小鍛冶 白頭」の2番組を開催。五穀豊穣(ほうじょう)の祈願や農耕の神稲荷明神にちなんだ演目で、どちらも農業王国十勝に縁の深い内容となった。
能の野外開催は「おびひろ薪能(第2回)」(2013年)以来8年ぶり。塩津能の會主催、帯広コア専門学校、十勝観光連盟、十勝毎日新聞社協力。
緑ケ丘公園のグリーンステージ前広場に設けた能舞台。屋外の開放感ある会場で能の世界を楽しめた
グリーンステージ前の広場に設けられた特設舞台で、来場者は開放的な雰囲気の中で能を堪能した。それぞれの演目で出演者たちの所作に合わせ笛、小鼓、大鼓などからなる囃子(はやし)や地謡(じうたい)が盛り上げ、趣のある世界観を見せた。
市内から親子3人で見に来た市川倫さん(12)=帯広花園小=は「稲荷明神の舞が印象的だった」、母の典子さん(43)も「能を見ることができて、いい機会だった」と振り返った。
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「翁」で舞を披露する塩津哲生さん演じる大夫
塩津圭介さんは稲荷明神の化身を演じた。物語の前半で童子、後半でキツネの姿を取った稲荷明神として、刀鍛冶を助けた
塩津哲生さんは素顔の直面(ひためん)で登場したのち、翁面をつけた神として祈祷の舞いを披露した
塩津哲生さんは素顔の直面(ひためん)で登場したのち、翁面をつけた神として祈祷の舞いを披露した
緑ケ丘公園のグリーンステージ上に設けられた能舞台。普段はホールなどの屋内でしか楽しめない能の世界を、開放感ある開場で楽しめた。
緑ケ丘公園のグリーンステージ上に設けられた能舞台。普段はホールなどの屋内でしか楽しめない能の世界を、開放感ある開場で楽しめた。
塩津圭介さん演じる童子は農業神・稲荷明神の化身でもある。演目の終盤には白一色のキツネの姿(写真中央)として現れ、刀鍛冶である三條小鍛冶宗近が、剣を打つ助けをした
緑ケ丘公園のグリーンステージ上に設けられた能舞台。普段はホールなどの屋内でしか楽しめない能の世界を、開放感ある開場で楽しめた。