田中邦衛さん死去 十勝からも悼む声
テレビドラマ「北の国から」などに出演し、存在感ある役柄を演じた俳優田中邦衛さんの死去を受け、十勝管内のファンらからも悼む声が上がっている。帯広市内のレンタルビデオ店では3日、追悼企画として過去の出演作を並べた特設コーナーも登場した。
田中さん主演のドラマ「北の国から’92巣立ち」は1991年には十勝でもロケが行われた。田中さん演じる黒板五郎の娘・蛍(中嶋朋子さん)が、帯広畜産大学に通う恋人の勇次(緒方直人さん)に会いに来るシーンを中心に、帯広駅や同大などで撮影があった。
自宅に招かれ
一般社団法人十勝うらほろ樂舎代表理事で、NPO法人・食の絆を育む会理事長も務める近江正隆さん(浦幌)は「北の国から」の五郎さんに憧れ、東京から31年前に北海道に移り住んだ。
2010年、田中さん宛てに、同ドラマを見て育ち大自然の中で生活したいと道内に移住したことや、定住までの苦労などを手紙に書いて送ったところ、神奈川の田中さんの自宅に招待され、一緒にバーベキューを楽しんだ。近江さんが北海道での生活について感じたことなどを話すと、田中さんは「頑張れ、頑張れ」と励まし、何度も握手してくれたという。
近江さんは「初めてお会いした時、田中さんは本当にドラマの中の五郎さんという雰囲気だった。人としてどうあるべきか、若い人たちにどう接し、何をすべきかを学んだ。素晴らしい人」としのんだ。
レンタル店に追悼コーナー
帯広市内のTSUTAYA西帯店(西21南3、浅見圭太店長)は3日、「北の国から」とその他の代表作品の2カ所に分け、田中さんの追悼コーナーを設置した。同店によると、すでに「北の国から」スペシャルドラマ版はすべて貸し出し中で、テレビドラマ版もこの日午前11時の時点で半分ほどがレンタルされている状況という。店を訪れた市内の女性(45)は「北の国からは田中さんの表情が好きで、見るたび泣ける。亡くなったと聞き、残念です」と話した。(平田幸嗣、石川彩乃)