ゾウの「ナナ」しのぶ 歴代の担当飼育係がエピソード語る
今年3月に死んだ、おびひろ動物園(柚原和敏園長)のアジアゾウ「ナナ」(雌、当時56歳)をしのぶ「ナナさんをおくるセレモニー」が15日、同園で開かれ、歴代の展示飼育係がナナとのエピソードを語った。
ナナは1964年に同園に仲間入り。1月に体を起こせなくなり、3月4日に天国へ旅立った。
歴代担当展示飼育係の伊藤眞實さん、柚原園長、冨川創平さんがナナとの思い出を振り返った。伊藤さんは若い頃のナナがすぐに芸を覚えたことや、2度、堀に落ちるという、やんちゃだった思い出を紹介。
晩年の10年を担当した冨川さんは、ナナの行動から気持ちを読み解こうとした日々を「毎日が掛け問答だった」と振り返り、「担当になった時はナナも不安定だったが、数年たった時に仲間と認めてくれた気がして。倒れてからは迷いながらの介護。頂いた差し入れは全てナナが食べ、本当に皆さんの思いを感じた」と話した。
定員40人のところ80人の応募があった。柚原園長は「ナナを糧に今後につなげていかなければ」とし、参加した五木田都鶴子さん(63)=帯広=は「小さい頃から見ていて一緒に育った感じ。本当に貴重な存在と感じたし、飼育員さんの話は涙が出た」と話した。(松田亜弓)