自粛のGW終了 今年の動きは
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全国で続く中、今年のゴールデンウイークが6日に終わった。十勝管内でも帰省を含む不要不急の外出自粛要請により、内外の移動が減るなど、例年に比べて静かな様子が見られた。(安田義教、大木祐介、大谷健人、川野遼介、本田龍之介)
空の便95%減
■交通機関
4月29日~6日のとかち帯広空港は日本航空(JAL)、エア・ドゥが各社1日1往復で32便の運航。利用者数は665人で前年比95・8%減。緊急事態宣言の延長に伴い、空港で実施しているサーモグラフィーを使った検温も当面の間続ける。市空港事務所は「引き続き感染拡大の防止を徹底したい」としている。
ネクスコ東日本は、例年実施する休日割引をやめた。同道支社帯広管理事務所は「実績は現在集計中だが、交通量は例年より減っている印象」としている。
JR北海道の帯広-札幌間を結ぶ特急とかちの減便は5月末まで続いており、帯広駅でも利用者が大幅に落ち込んだ。佐々木大輔駅長は「肌感覚では利用は8割減。例年は混雑対策で社員を増員するが、今年は通常通りのシフトで対応した」と話している。
ごみ苦情なく
■公園
市内の公園では、遊具を使用禁止にしたり、飲食を伴う宴会などの自粛を呼び掛けたりした結果、利用者は例年より少なかった。
期間中は気温が30度近くまで上がる日もあったが、ボール遊びや散策する姿は見られたものの、通水していない噴水などは人影がなかった。
帯広市内の緑ケ丘公園では例年、焼き肉後のごみの苦情が市に寄せられるが、今年はなかった。みどりの課は「自粛の呼び掛けで人出は少なかった。冷静に対応してくれた」としている。
列でき閉店
■食肉店
外出の代わりに自宅での焼き肉が増えたためか、市内では肉への需要が高まった。土・日・肉のびっくり市直売店(東2南12)は「味付け肉や冷凍肉を中心に若干売り上げが上がった」とし、五日市(大通南21)も「焼き肉用の食材を中心に売り上げがいつもより伸びた」としている。大塚精肉店(西12南14)では2日に行列ができ、3日夕に閉店。6日まで休業した。大塚秀樹店長は「営業を続けていれば売り上げが上がったかもしれないが、行列も密になってしまうので」と、やむを得ない判断とした。
火災が7件
■事件事故
期間中も火災や事故があったが、いずれも死者や重傷者はいなかった。
とかち広域消防局によると、管内では大型連休中(4月28日~5月6日)に7件(速報値、前年比11件減)の火災が発生。昨年はこの時期に火災が集中したため、ほぼ例年並みの件数だという。内訳は林野火災が陸別町トマムで3日に発生した1件、他6件は枯れ草を焼くなどの野火火災だった。いずれの火災でもけが人はいなかった。
帯広署によると、同署管内では4月29日から6日までの連休中、人身事故は12件発生した(速報値)。最も多かったのが4月30日の4件だった。いずれも軽傷で、重傷者、死者は発生しなかった。